2010 Fiscal Year Annual Research Report
細菌鞭毛フラジェリンの構造機能相関と細胞表層局在化機構
Project/Area Number |
20380049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 幸作 京都大学, 農学研究科, 教授 (90142299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 渉 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30273519)
三上 文三 京都大学, 農学研究科, 教授 (40135611)
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Keywords | フラジェリン / 鞭毛 / 細菌細胞表層構造 / アルギン酸 / X線結晶構造解析 / ペプチドグリカン加水分解楮 / メタロペプチダーゼ / スフィンゴモナス属細菌 |
Research Abstract |
Sphingomonas属細菌A1株では、鞭毛形成タンパク質であるフラジェリン分子が細胞表層に局在するため、本タンパク質の細胞表層繋留タンパク質と新たなフラジェリンの輸送経路の存在が想定される。先ず、フラジェリンp5抗体カラムを用いて50kDaタンパク質(SPH2681)をその候補タンパク質として分離し、その構造機能相関解析することによってSPH2681はM16Bサブファミリーに属するメタロペプチダーゼであることを明らかにした。また、A1株ゲノム上で約10bp離れた位置に存在するSPH2682もM16Bサブファミリーに属し、互いに約20%の相同性を示すことを明らかにした。更に、SPH2681とSPH2682はN末端にシグナル配列を持つこと、SPH2681は亜鉛結合及び活性に関わるモチーフを持つが、SPH2682には活性モチーフがないこと、またSPH2681はPH2682と複合体を形成することにより初めて酵素活性を示すことなどを明らかにした。そこで、SPH2681単量体及びSPH2681-2682複合体の構造解析を行い、活性発現機構を明らかにした。これにより、フラジェリンとメタロペプチダーゼSPH2681(またはSPH2681-SPH2682)が如何なる立体配置で相互作用し、フラジェリンを細胞表層に固定しているかが部分的に明らかになった。一方、フラジェリンの細胞表層への輸送に関わると想定されるペプチドグリカン分解酵素の立体構造も決定し、細胞質で合成されたフラジェリンの細胞表層への輸送経路を推定した。
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