2010 Fiscal Year Annual Research Report
微生物のエンドグリコシダーゼの変異酵素を活用した糖鎖医薬品の開発と調製法の確立
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20380052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 憲二 石川県立大学, 生物資源環境学部, 客員教授 (70109049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 久 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (40379087)
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Keywords | エンドグリコシダーゼ / 糖転移活性 / substrate assisted catalysis / オキサゾリン化合物 / 化学-酵素合成 / サブスタンスP / PAMP12 / リボヌクレアーゼB |
Research Abstract |
本年度はエンド-Mの酵素反応がsubstrate assisted catalysisという特異なメカニズムによって行われることに基づいて、酵素反応中間体であるオキサゾリン糖鎖の簡便な化学合成と変異酵素N175Qの調製、それらを用いた生理活性糖ペプチドの調製について研究を行った。オキサゾリン糖鎖の調製はニワトリ卵黄より抽出単離したシアロ複合型糖鎖を有する糖ペプチドにエンド-Mを作用して遊離した糖鎖をトリエチルアミン存在下でジメチルイミダゾリニウムクロライド処理した後、ゲルろ過することによって調製した。昨年度の研究により、加水分解活性が抑制されているにもかかわらず、オキサゾリン糖鎖を供与体基質として糖転移反応が進行する部位特異的変異酵素のN175Qについても大量調製した。本変異酵素はpET23bプラスミドベクターに繋いだエンド-Mの遺伝子を鋳型にして、部位特異的変異させた遺伝子をPCRによって増幅させ、それを導入した大腸菌BL21(λDE3)を培養して発現させた後、His-Tagカラムによって精製し調製した。さらに、これらを用いて、血圧降下作用を有する生理活性ペプチドのサブスタンスPおよびPAMP12の糖ペプチドを化学-酵素合成を行った。本反応により生成したサブスタンスPの糖ペプチドの生成収率は98%、PAMP12の糖ペプチドの生成収率は95%であった。PAMP12について、nativeのペプチドと糖鎖を付加した糖ペプチドについてプロナーゼを添加して、その酵素分解に対する安定性を調べたところ、糖ペプチドはプロテアーゼに対する高い抵抗性を示すことを明らかにした。さらに、高マンノース型糖鎖を有するウシ膵臓リボヌクレアーゼBの糖鎖をエンド-Hによって遊離した後、N175Q変異酵素とオキサゾリン糖鎖を用いた糖転移反応によってシアロ複合型糖鎖にリモデリングした。シアロ糖鎖を有するリボヌクレアーゼBについてはESI-TOF MSによって同定した。
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Research Products
(5 results)