2009 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス関連タンパク質ALG-2のカルシウム依存的アダプター機能解析
Project/Area Number |
20380059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧 正敏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40183610)
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Keywords | カルシウム / 多胞性エンドソーム / TSG101 / Alix / 小胞体出芽部位 / COPII / アダプター / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
5つのEF-handをもつカルシウム結合タンパク質ALG-2はアポトーシス関連因子として同定されたが、その生理作用における分子機構は不明である。我々はALG-2とカルシウム依存的に結合する因子としてAlixおよびTSG101に着目し、両者がカルシウム依存的に結合することを既に明らかにしていた。本研究では、ALG-2がアダプターとして作用するとの仮説を立て、これを分子レベルで明らかにすることを目的として研究を進めた。RNA干渉法によりALG-2発現を抑えた動物細胞において、AlixとTSG101の試験管内でのカルシウム依存的相互作用が消失すること、組換体ALG-2を補充したり、RNA干渉耐性ALG-2発現プラスミドをトランスフェクションすることにより、相互作用が相補されることも判明した。しかし、2量体を形成しない変異体を発現させても相補されなかった。さらにAlixやTSG101と結合できないアイソフォームALG-2ΔGF122では相補できない。以上のことより、2量体のALG-2がカルシウム依存的アダプターとして機能していることが強く示唆された。ALG-2ΔGF122がなぜAlixと相互作用できないのか、野生型ALG-2との構造的相違をX線結晶構造解析により明らかにした。アイソフォームでは2残基の欠損により結合に関与するループが結合ポケットより離れていた。小胞体のCOPII小胞出芽部位におけるALG-2のカルシウム依存的アダプター機能の解析についても、Sec31Aとannexin A11がALG-2の介在により相互作用する可能性が示唆された。ALG-2と相互作用する新規相互作用因子候補が得られた。
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