2010 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス関連タンパク質ALG-2のカルシウム依存的アダプター機能解析
Project/Area Number |
20380059
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧 正敏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40183610)
|
Keywords | カルシウム / 分子認識機構 / PATL1 / ESCRT / 小胞体出芽部位 / COPII / アダプター / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
典型的カルパインのカルシウム結合ドメインと類似した5つのEF-handをもつALG-2はアポトーシス関連因子として同定されたが、その生理作用における分子機構は不明である。我々はALG-2とカルシウム依存的に結合する因子としてESCRT関連タンパク質であるAlixやTSG101、小胞輸送因子Sec31A、リン脂質膜結合タンパク質annexin A11そして生理機能不明のPLSCR3などを明らかにしてきたが、このうちAlixとTSG101との間を橋渡しすることを見出した。しかし、選択的スプライシングアイソフォームであるALG-2ΔGF122ではこのような機能がないため、構造的相違をX線結晶構造解析により明らかにした。アイソフォームでは2残基の欠損により結合に関与するループが結合ポケットより離れていた。 F122をAlaに置換した変異体ではAlixとの結合が強くなることが判明し、その構造解析より結合部位が拡張したことが原因と考えられる。この変異体は細胞死誘導能力も増強していることが分かった。一方、それぞれ異なる蛍光タンパク質を融合させたSec31AおよびALG-2を動物細胞に発現させ、Ca2+刺激したのちの生細胞における蛍光動態を解析した結果、ALG-2はCa2+濃度に応答して周期的にSec31Aの局在する小胞体出芽部位に集積することを明らかにした。ALG-2がSec31A結合する部位を同定した。ALG-2のアダプター機能の解析についても、Sec31Aとannexin A11がALG-2の介在により相互作用するデータが得られた。さらに、新規ALG-2相互作用因子としてPATHを同定したが、共同研究によってこの因子は細胞質でRNA processing bodyと呼ばれる斑点状構造物を形成し、C型肝炎ウイルスの複製に関与していることも分かった。
|
Research Products
(12 results)