2009 Fiscal Year Annual Research Report
特異なヘテロ多環構造を含んだ生理活性天然物の合成研究
Project/Area Number |
20380067
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 俊夫 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90208158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安立 昌篤 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (80432251)
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Keywords | 有機合成 / ヘテロ環 / タゲチトキシン / β-ラクタム / チャルテリン / イソオキサゾリン / Baylis-Hillman反応 / 渡環反応 |
Research Abstract |
平成21年度は主に以下の3つのヘテロ環を含む天然有機化合物の合成研究を展開した。 海産アルカロイドChatelline:この分子の最も特徴的な構造であるインドレニンspiro-β-ラクタム部分の構造を12員環マクロラクタムの渡環反応で構築するという計画に基づいて研究を進めてきた。現在の最大の課題は、この12員環マクロラクタムの合成法の開発であり、まず前駆体の合成ルートを詳細に再検討し、インドールセグメントとイミダゾールセグメントの量的供給が可能になった。更に両者のセグメントカップリングによって、様々な構造をもったマクロラクタム環化前駆体を合成することに成功した。 植物毒素Tagetitoxin:この分子を糖質tri-O-acetyl-D-glucalから合成する計画で以下のように研究を展開した。まずシリルアセチレンを使ったC-グリコシル化反応で、1位にアセチレンを導入し、環内オレフィンをエポキシ化した。2位水酸基のイミデートによる分子内エポキシド開環反応で3位にアミノ基を導入し、PhI(OAc)_2をつかった4位水酸基による分子内水素引き抜き反応によって1,4-アンヒドロ糖を合成した。この反応でアセチレンはヨウ素化されており、酸化開裂、還元によってヒドロキシメチル基に変換しTagetitoxinの重要な合成中間体を得ることに成功した。 血管新生阻害剤Cortistatin A:昨年までの研究結果を踏まえて、Cortistatinの中心構造であるオキサビシクロ部分の合成計画をスピロ型エノンエステルの分子内Baylis-Hillman型の反応で構築するルートをモデル化合物を使って検討した。α-ブロモシクロヘキセノンに対してホモプロパルジルアルコールを1,2付加させ、スピロ型5員環exo-グリカールの合成前駆体を得ることに成功した。
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