2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
駒井 三千夫 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80143022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (40206280)
後藤 知子 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (00342783)
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Keywords | 摂食調節 / 食餌亜鉛シグナル / 食欲調節ペプチド / Neuronentide Y (NPY) / 消化管迷走神経 / オレキシン(orexin) |
Research Abstract |
これまで、亜鉛欠乏食を与えた後の変化で最初に観察されるのは、食塩嗜好の増大のほかに食欲低下である。摂食量の低下は亜鉛欠乏食給餌の3日目に現れ、食欲調節に重要な視床下部摂食調節ペプチドのmRNA発現量が変動することを見出した(摂食促進ペプチド発現が低下、摂食抑制ペプチド発現が上昇)。 先ず、亜鉛以外の二価の陽イオン投与によっては摂食量が回復するのか否かを明らかにする目的で、亜鉛以外の他の2価陽イオンミネラルであるカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、の影響の解析を行ったところ、亜鉛を与えた場合のように摂食量増加を引き起こすことは認められなかった。このことによって、摂食量増加は亜鉛の特異的なシグナルであることが確認された。 さらに、NPYレセプターアンタゴニストおよびorexinレセプターアンタゴニストの前処理によって、それぞれ亜鉛投与による摂食促進作用が観察されなくなった。この作用は、NPYやorexinを介している情報伝達であることが明らかとなった。これらの結果は亜鉛投与により視床下部のNPY、orexinのmRNA発現量が増加するという結果とも一致する。 以上の結果より、亜鉛欠乏ラットにおける、亜鉛の経口投与による摂食量の回復過程には、腸管からの亜鉛吸収、迷走神経による情報伝達、視床下部摂食促進系(NPY、orexin)の活性化が関与しているものと考えられた。これらの成果は、今後の研究の進展に大きく寄与した。
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Research Products
(4 results)