2008 Fiscal Year Annual Research Report
ステロール代謝調節タンパク質の作用機構解明と食品成分による制御
Project/Area Number |
20380073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 郁男 Tohoku University, 農学研究科, 教授 (40136544)
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Keywords | ABCG5 / ABCG8 / 植物ステロール / コレステロール / 胆汁 / 小腸 / SHRSPラット / WKYラット |
Research Abstract |
ABCG5/ABCG8の植物ステロール排泄能を明らかにするため、ABCG5に変異のないWKY/Izmおよび変異のあるWKY/NCrlCrljおよびSHRSP/Izmを用いて、リンパへの代表的植物ステロールである放射性シトステロール吸収を調べた。その結果、WKY/NCrlCrljでは、WKY/Izmに比較してシトステロールの吸収率が有意に20%高かった。しかし、SHRSP/Izmでは、シトステロール吸収率はWKY/Izmよりも高い傾向にはあるものの(8.5%)、有意差はなかった。これらの結果から、WKY/NCrlCrljではABCG5の変異に伴い植物ステロール吸収が増加したと考えられたが、SHRSP/Izmででは必ずしも吸収が増加したとは考えられなかった。これらのことから、ABCG5の変異に伴う植物ステロール吸収率の増加は、それほど大きくないことが示唆された。また、同様のラットを用いて、胆汁への植物ステロール排泄を測定した。その結果、ABCG5の変異が植物ステロール排泄を増加させるという証拠は得られなかった。これらのことから、ABCG5/ABCG8のステロール排泄能は想定されているほど大きくなく、体内への植物ステロールの蓄積は、吸収と排泄の微妙なバランスのずれにより起こると考えられた。 ABCG5/ABCG8のコレステロール代謝への寄与を明らかにするため、SDラットにいくつかの食品成分を摂食させ、ABCG5/ABCG8の発現への影響を調べた。その結果、ある食品成分は肝臓のABCG5/ABCG8のmRNA発現だけでなく、タンパク質発現を増加させることを見いだした。しかしながら、小腸では全く変動していなかった。このような発現増加の機構は現在検討中である。
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