2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸内共生菌とプロバイオティクスによる感染とアレルギーの制御
Project/Area Number |
20380079
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上野川 修一 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (50011945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 朗 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (70328706)
高橋 恭子 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (70366574)
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Keywords | 腸内共生菌 / IgA / 感染 / アレルギー / 免疫 |
Research Abstract |
腸内共生菌が感染症やアレルギーのリスクを低減化し、免疫反応を制御する現象を細胞分子レベルで解明することをめざし,以下のとおり実施した。 1)腸管の共生・維持機構の解明 腸内共生菌が排除されずに大腸部位に多数存在することから、大腸(盲腸)のリンパ節細胞の細菌由来成分LPSに対する免疫応答を調べたところ、小腸パイエル板細胞に比べ炎症性サイトカインIL-12p40産生が低応答化している特徴がみられた。 2)腸内共生菌の感染症やアレルギー制御への関与の解明マウス腸内共生菌のBacteroidesのみ有するノトバイオートマウスを作製したところ,大腸部位において杯中心の形成と感染防御に重要な腸管での免疫グロブリンA(IgA)形質細胞が誘導され、IgAの誘導に腸内共生菌が重要な役割を果たしていることが明らかになった。 3)プロバイオティクス菌体の感染制御活性の評価 プロバイオティクスとして期待されるBifidobacterium pseudocatenulatum JCM7041菌(Bp)の調製法を加熱または菌体破砕などによって変えることにより、感染防御に作用する標的細胞に対して異なる免疫応答を誘導できることが明らかとなった。 4)プロバイオティクス菌体のアレルギー制御活性の評価 アレルギー炎症を誘導するマスト細胞に対するBpの作用を評価した。Bpはマスト細胞のアレルギー応答を抑制し、その機構の1つはTLR2を介した細胞内シグナルの変化であった。
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Research Products
(38 results)