2008 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来多硫化アルケニルの生体内挙動とその分子標的に関する研究
Project/Area Number |
20380080
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
有賀 豊彦 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (50096757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20187834)
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Keywords | garlic / diallyl trisulfide / leukemia / cancer / Redox 2D-PAGE |
Research Abstract |
ジアリルトリスルフィドを中心に幾つかのアルケニルスルフィドが抗がん作用を発揮する際に作用する分子標的の同定を試みた。これは、外的要素が生体内で周囲にどのような実質的影響を及ぼすかを究明するものであり、経口摂取成分にとっては非常に重要な検討課題である。本年度は特にガーリク由来含硫化合物diallyl trisulfide (DATS)がレドックス制御に関与してがん細胞のアポトーシス誘導の下流シグナルを活性化するか否かを明らかにする目的で、アポトーシス関連タンパク質の発現の確認を行い、さらにDATSの分子標的の探索を行った。分子標的の探索にはRedox2D-PAGEを用いた。Redox2D-PAGEは、1次元目を非還元でSDS-PAGEに供し、泳動したゲル内のタンパク質を還元して2次元目のSDS-PAGEに供する。DATSが分子標的タンパク質内・タンパク質間にジスルフィド結合を形成させるか否かを明らかにするために、ヒト単球性白血病細胞株U937の細胞質タンパク質を用いてRedox2D-PAGEの確立、Redox2D-PAGEを用いたDATSの分子標的の探索を行った。ヒト白血病細胞株U937にDATSを添加して細胞質画分をRedox2D-PAGEに供した結果、ジスルフィド結合が存在しないタンパク質は対角線上に現れ、タンパク質分子内・タンパク質分子間ジスルフィド結合を持っタンパク質は、対角線の上下にスポットとして現れた。また、controlと比較して、DATS添加1時間後に特異的に出現するスポットを複数確認した。また、DATS添加10分後においても同様のスポットが確認された。現在、これらのタンパク質についてトリプシン消化を行いC18columnを装着したLC-MS/MSにて分離・解析を試みている。
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