2009 Fiscal Year Annual Research Report
白色・褐色腐朽等の腐朽様式を考慮した枯死木成分別分解モデルの開発
Project/Area Number |
20380095
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
石塚 成宏 Forestry and Forest Products Research Institute, 立地環境研究領域, 主任研究員 (30353577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 佳美 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (40353700)
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Keywords | 地球温暖化 / 枯死木 / 京都議定書 / リグニン / ホロセルロース / 近赤外分光光度計 / アルカリ抽出成分 |
Research Abstract |
京都議定書報告において算定が必要な枯死木中の炭素動態推定の精度向上と、土壌を含めた有機物分解速度の高精度予測に必要となる迅速・簡便なリグニン・セルロース定量法と白色腐朽・褐色腐朽などの腐朽様式の寄与率の推定方法を開発し、全国から集めた1500点程度の枯死木サンプルのリグニン・セルロース定量と、腐朽様式の寄与率の推定を行う。昨年度行ったスギ・ヒノキ・カラマツに加えて、トドマツ、アカエゾマツの枯死材について、従来法によるリグニン・セルロース定量をおこなった。これらの成分データとサンプリングサイトの位置情報および位置情報に付随する気候情報(気温、降水量)をデータベース化した。京都のヒノキ枯死材を対象に、近赤外分光光度計により、4,000~10,000cm-1の範囲の反射スペクトルを採取した。10,000cm-1付近の精度が悪く、スペクトルの取得回数は100回程度が必要であることが明らかになった。そのため、当初想定していたよりも多くの分析時間が必要であることが判明した。さらに、近赤外分光分析に必要な未分析試料の試料調整(粒径の均質化)と収集した広葉樹の枯死材の試料調整を行った。来年度はすべてのサンプルの近赤外反射スペクトルを元にリグニン:ホロセルロースの簡易定量法を開発し、その方法を使用して分析点数を増加させ、データベースを完成する予定である。広葉樹については、来年度も新規サイトのサンプルを収集し、成分分析を行った後、近赤外反射スペクトルによる定量法の開発を行う予定である。
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