2009 Fiscal Year Annual Research Report
スズメバチ類に対する生物的防除素材としてのスズメバチセンチュウの能力評価
Project/Area Number |
20380097
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
小坂 肇 Forestry and Forest Products Research Institute, 九州支所, グループ長 (20343791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐山 勝彦 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (70353711)
牧野 俊一 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 領域長 (20353849)
神崎 菜摘 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70435585)
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Keywords | オオスズメバチ / 地理的分布 / 熊本 / 西表 |
Research Abstract |
スズメバチセンチュウの地理的分布を明らかにする一環として、森林総合研究所九州支所構内(熊本)及び林木育種センター西表熱帯林育種技術園構内(西表島)でベイトトラップ(誘引餌入り捕獲器)を用いてスズメバチを採集して解剖し、線虫寄生の有無を調べた。 九州支所では5月中旬から11月下旬までの間、オオスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチ、モンスズメバチ、キイロススメバチの5種スズメバチを合計で約1,000匹採集した。採集した全てのスズメバチを解剖したところ、オオスズメバチの女王からスズメバチセンチュウを検出した。寄生率は約10%であった。オオスズメバチの働きバチや雄成虫、また他のスズメバチからスズメバチセンチュウは検出されなかった。西表熱帯林育種技術園では5月下旬から7月上旬までの間、ヒメスズメバチを約50匹採集して解剖したが、スズメバチセンチュウは検出されなかった。 スズメバチセンチュウは札幌市での分布が既に確認されている。今回の調査でスズメバチセンチュウが熊本から検出されたことにより、本線虫は潜在的に九州から北海道まで分布可能であることが示された。西表島にはヒメスズメバチのほか、ツマグロスズメバチとコガタスズメバチが生息している。しかし、今回の調査ではツマグロスズメバチは採集できず、コガタスズメバチの採集数も僅かであった。九州以南でのスズメバチセンチュウの分布を調査するためには、ベイトトラップの設置時期や設置場所、また、誘引餌の質を検討し、効率よくスズメバチを採集する必要があることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)