2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹木木部柔細胞の過冷却促進物質の網羅的構造同定と大量獲得法の検討
Project/Area Number |
20380099
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤川 清三 北海道大学, 名誉教授 (50091492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 幸治 北海道大学, 大学院・農学研究院, 講師 (60218906)
荒川 圭太 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (00241381)
|
Keywords | 樹木柔細胞 / 過冷却促進物質 / 氷核形成物質 / フラボノール配糖体 / 加水分角型タンニン / 有機合成 / 新規産業素材 |
Research Abstract |
深禍冷却で氷点下温度に適応する樹木の木部柔細胞から、水の過冷却を促進する4種類のフラボノール配糖体、および4種類の加水分解型タンニン(このりち2種類は当該年度の研究で新たに同定)をこれまで同定した。さらに関連の化合物として20種類以上の類似化合物が渦冷却活性を持つことを新たに解明した。これまで、過冷却活性の同定は氷核形成細菌(Erwinia ananas)を加えた水溶液についてのみ測定してきたが、木部牽細駒の禍冷却は細胞内に存在する未同定の氷核形成物質に、過冷却促進物質が作用することによりもたらされると考えられる。このため、様々な氷核に対する、同定した過冷却促進物質が示す過冷却活性を知る必要がある。これは又過冷却促進物質を産業的に応用し、様々な水溶液を過冷却させるための重要な基礎知見となる。このため、氷核としてE.ananasとは異なった氷核形成細菌(Xantomonas campestris)、ヨワ化銀、フロログルシノール、未同定空中物質を含む蒸留水について過冷却活性を測定した。この結果、すべての氷核形成物質に対して活性を示す過冷却促進物質として、木部柔細胞由来の物質としては、1種類のフラボノール配糖体および4種類すべての加水分解型タンニンが含まれることを明らかにした。これらの過冷却促進物質は、木部柔細胞の深過冷却に強く関与すると考元られる一方、産業的応用の可能性も有り、有機合成により大量確保するともに、入手簡単な関連物質を得て、その応用を検討した。この結果大量に入手でき、種々産業的目的に応用可能な数種類の過冷却促進物質を見出した。
|