2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能糖鎖を配向集積した新規バイオインターフェースの創出
Project/Area Number |
20380104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北岡 卓也 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (90304766)
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Keywords | 糖鎖 / 酵素反応 / 自己組織化 / 分子配向制御 / 細胞培養 / バイオインターフェース / 表面・界面物性 / 生体材料 |
Research Abstract |
近年、ナノとバイオの技術融合による生体機能材料の開発が盛んであるが、再生医用材料分野で注目の糖鎖系細胞培養基板の開発は遅れている。本研究では、独自の「非水系糖鎖合成技術」と「構造性糖鎖造膜技術」により、細胞表面と直接相互作用して機能誘導を促す新規な糖鎖系バイオインターフェースの創出を目指している。本年度は、生体内の代表的な機能糖鎖であるガラクトースを非還元末端にもっラクトースを用いて、オリゴ糖合成・配糖体合成・セルロース膜への直接導入などの機能材料化を図った。また、キチン・キトサン・ヒアルロン酸などの非セルロース系糖鎖膜についても同様の構造・機能検討を行った。 1.非水系酵素反応による糖鎖・配糖体合成 非プロトン性極性溶媒のDMI中で、界面活性剤被覆酵素によるラクトースのオリゴ化を行い、β-1,6結合のみをもつ15量体以上のオリゴラクトースの一段階合成に成功した。また、疎水性アルコールを容易に溶解する反応場の性質を活かして、ヘキサノールへの直接配糖化にも成功した(収率2,7%)。 2.セルロース膜表面のラクトース修飾 セルロース濾紙・再生セルロース膜表面に、LiCl/DMAc溶液中で非水系酵素反応によるラクトース導入を行った。 セルロース溶解のための溶媒置換前処理を省くことで、材料形状を維持したまま、その表面にガラクトース残基を集密化させることに成功した。ガラクトース認識レセプターを有するラット肝細胞の培養試験では非常に良好な細胞接着性が認められ、特に無血清培地中での初期接着に優れていた。すなわち、マトリックス表面糖鎖と細胞表面が直接相互作用していることが示唆された。 3.非セルロース系構造膜の機能検討 生理活性糖鎖であるキチン・キトサン・ビアルロン酸の還元末端特異的S誘導体化と金基板表面への自己組織化により造膜し、ラット表皮細胞や線維芽細胞の培養を行ったところ、良好な接着性が見られた。
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Research Products
(28 results)