2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を利用した魚類汎用連鎖解析システムの開発
Project/Area Number |
20380107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 潔 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (20292790)
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Keywords | トラフグ / フグ / メダカ / ゲノム / 比較ゲノム / 進化 / 連鎖地図 |
Research Abstract |
本研究では、非モデル魚類の連鎖解析および集団遺伝学的な解析を容易にするため、ゲノム上の位置があらかじめ推定されていて、かつ、多くの魚類で使用可能な多型マーカー座を開発することを目的とする。本年度は以下の3つの成果を得た。 汎用多型マーカーの候補となる領域の同定 汎用多型マーカーの候補領域としてまず、CAリピート配列を含む領域について調べた。トラフグ、ミドリフグ、トゲウオ、メダカのゲノム配列の網羅的比較から、魚種間で保存性の高いゲノム断片配列(アンカー)を探索し、アンカーのペア間にCAリピート配列が少なくとも2回以上存在する組み合わせを選び出した。その結果、361個のアンカーペアが抽出できた。このパイロットスクリーニングの結果は、汎用マーカーの候補となる座がサテライト領域だけで数千個におよぶことを示している。 汎用多型マーカーの汎用性と多型性の検証 マーカー座候補の汎用性を調べるため、まず、97座の共通プライマーを用いて各魚種におけるPCR増幅を調べた。その結果、99-93%の座で増幅が成功した。次に、多型性を各魚種で調べた。その結果、32-23%の座が多型性を示した。この値は、多型マーカーとして十分に実用的な範囲内にある。 マサバ解析用家系の作出 ゲノム構造推定の妥当性と、汎用マーカー座の実用性を検証するため、マサバ連鎖解析をおこなう。そのため、マサバ親魚を人工授精に供して、解析用の世代を作出した。今後、汎用マーカーを用いて、マサバの連鎖地図と比較ゲノムマップを作成する予定である。
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Research Products
(11 results)