2010 Fiscal Year Annual Research Report
クルマエビの病源微生物感染に対する防御機構に関する研究
Project/Area Number |
20380109
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
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Keywords | クルマエビ / 生体防御 / RNA干渉 / 抗菌タンパク質 |
Research Abstract |
RNA干渉法によりクルマエビリゾチームの機能が抑制されても他の遺伝子の発現は抑制されないことを、マイクロアレイを用いて網羅的に解析したところ、3倍以上の発現低下を示した遺伝子は、二本鎖RNA接種後1日目および3日目ともに、リゾチーム遺伝子以外認められなかった。さらに、クルマエビ血リンパ中の細菌叢を明らかにするために、細菌特異的な16SリボソームDNAの塩基配列を解析したところ、その約9割がグラム陰性菌由来であった。クルマエビ血リンパをHI寒天培地上で培養するとグラム陰性菌であるビブリオ属が優占することからも、クルマエビリゾチームはグラム陰性菌に対して重要な役割があると推察される。そこで、グラム陰性菌とクルマエビリゾチームとの関連を確かめるために、クルマエビに蛍光標識した大腸菌を接種し、クルマエビ血リンパを経時的にサンプリングし、蛍光顕微鏡下で細菌数を計測した。結果、リゾチームノックダウンクルマエビでは大腸菌に対する排除能を低下させ、さらにクルマエビ血リンパ中での増殖を可能にした。以上のことから、クルマエビリゾチームは生体内で少なくともグラム陰性菌の制御に重要な役割を果たしていることが示唆された。抗菌タンパク質のクラスチン様タンパク質をノックダウンするとリゾチウムのノックダウンの際と同じような結果が見られたことから、クルマエビ類では一つ一つの抗菌タンパク質が免疫に重要な役割を果たしていることが示唆された。クルマエビ類の遺伝子配列情報を蓄積するために大規模EST解析を行い、約8万配列を得た。これらを基にマイクロアレイを作製することが可能となった。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Hyper-expansion of large DNA segments in the genome of kuruma shrimp, Marsupenaeus japonicus.2010
Author(s)
Koyama T, Asakawa S, Katagiri T, Shimizu A, Fagutao FF, Mavichak R, Santos MD, Fuji K, Sakamoto T, Kitakado T, Kondo H, Shimizu N, Aoki T, Hirono I.
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Journal Title
BMC Genomics
Volume: 11
Pages: 141
Peer Reviewed
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[Presentation] Molecular immunology on kuruma shrimp, Marsupenaeus japonicus2010
Author(s)
I Hirono, T Koyama, A Kaizu, A Shitara, MBB Maningas, FF Fagtao, H Yamada, K Komiya, TAoki, H Kondo
Organizer
Sixth International Symposium on Aquatic Animal Health
Place of Presentation
タンパマリオットウオーターサイドホテル(タンパ、フロリダ)
Year and Date
20100906-20100908
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