2008 Fiscal Year Annual Research Report
水族寄生生物の生活史,特に感染期の宿主特異性に関する研究
Project/Area Number |
20380110
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大塚 攻 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00176934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 和也 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (40416029)
浅川 学 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (60243606)
小池 一彦 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (30265722)
堀口 健雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20212201)
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学部, 准教授 (00187692)
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Keywords | カリグス科 / カイアシ類 / トラフグ / マダイ / 渦鞭毛藻類 / 等脚類 / 宿主特異性 / 成長段階 |
Research Abstract |
長崎県の養殖トラフグに経済的被害をもたらしているカリグス科カイアシ類Pseudocaligus fugu(本種はテトロドトキシンを有するTakifugu属に対して宿主特異性を示す)の全発生段階を明らかにした.成体前のステージは,自由遊泳性のノープリウス幼生2期,コペポィド期1期,感染後のカリムス期4期で,性的二形は第3カリムス期から発規する.成長は極めて早く,水温約20℃ではコペポィド期から成体まで最短で9日で達する.カリグス科の発生段階の過去の研究例を全て再考した結果,カリムス期の発生段階数は4期であると推定した.愛媛県,長崎県などで相次いで発見され,マダイに宿主特異性を示すカリグス科カイアシ類Caligus sclerotinosusの雄を初めて記載した.養殖場では本種の寄生が蔓延しているが,天然では寄生が見られないことも宇和海にて確認した.また,カリグス科及び近縁の科の成体雌雄が日本および韓国の沿岸や黒潮流域で採集されたプランクトン中に頻繁に見出される現象を解明し,宿主(魚類)を頻繁に替える生活史が存在することを示唆した. 寄生性渦鞭毛藻類ではカイアシ類に内部寄生するBlastodinium2種,ヤムシ類,オタマボヤ類に外部寄生するOodinium2種を発見し,微細形態,分子による分類学的検討を行なった。前者の1種は色素体を欠くため,未記載種であろうと判定された.後者ではSSUrDNA配列の系統解析からヤムシ類に寄生する種は別属である可能性を指摘した. オキアミ類Euphausia recurvaに外部寄生する等脚類Heterophyryxus appendiculatusを太平洋から初記録し,詳細に記載した.本宿主は新ホストであった.また,二枚貝外套腔に寄生するピンノ類ちAbyssotheres属の新種を南西諸島から記載した.
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Research Products
(8 results)