2009 Fiscal Year Annual Research Report
水族寄生生物の生活史,特に感染期の宿主特異性に関する研究
Project/Area Number |
20380110
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大塚 攻 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (00176934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 和也 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (40416029)
浅川 学 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (60243606)
小池 一彦 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (30265722)
堀口 健雄 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20212201)
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00187692)
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Keywords | カリグス科 / カイアシ類 / マダイ / 宿主転換 / 等脚類 / 吸虫類 / メタケルカリア / ミズクラゲ |
Research Abstract |
愛媛県で養殖マダイに蔓延する外部寄生性カリグス科カイアシ類Caligus sclerotinosusの初期発生段階を明らかにした。本科の一般的な発生段階と同様、ノープリウス期2期、コペポディド期1期を確認した。また、カリムス期はマダイの体表、鰓、鰭などからは発見されず、周辺の他魚種から宿主転換をすることが示唆された。トラフグ属に寄生するPseudocaligus fuguのコペポディド期、カリムス期、成体の第1触角の微細構造を電子顕微鏡によって観察した。刺毛の内外部形態は発生段階で顕著に異なり、カリムス期(固着期)においても刺毛内部の神経細胞の存在から感覚器として機能していることが示唆された。コペポディド期の期間は水温の影響を受け、10、25℃ではそれぞれ平均16.5、5.9日であった。カリグス科Caligus属、Metacaligus属、Lepeophtherlus属および近縁科のPandarus属では成体がプランクトン中に頻繁に出現することから、成体も(再)感染期として機能することの一般性が強く示唆された. アミ類に外部寄生するヤドリムシ科Notophryxus属,Aspidophryxus属の各未記載1種の記載を行なった。また、これらの種の摂餌様式などを考察した。ヤドリムシ科のZonophryxus retrodensを日本から初記録した.ヨオノエ類1新種(Mothocya komatsui)を含むウオノエ類4種を北太平洋深海で採集した魚類から記録した.瀬戸内海産ミズクラゲを中間宿主とする吸虫類メタケルカリア3種(Opechona olssoni、Cephalolepidapedon saba、Lepocreadium clavatumが確認された。また、前二種、最後の種それぞれは終宿主と考えられるイボダイ、ウマズラハギの消化管からも発見され、クラゲを食することによって経口感染すると推測される。 隔口類のphorontがタイランド湾産浮遊性カイアシ類Paracalanidaeなどから発見された。
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Research Products
(9 results)