2008 Fiscal Year Annual Research Report
魚類のための生体留置型ワイヤレスバイオセンサーの創出に関する研究
Project/Area Number |
20380119
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
遠藤 英明 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (50242326)
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Keywords | 魚類 / 血糖値 / 測定 / バイオセンサ / ワイヤレス / 酵素 / グルコース / リアルタイムモニタリング |
Research Abstract |
本研究の目的は,水産養殖分野における魚類の迅速・簡便な健康診断法の確立を念頭におき,魚体内に留置可能なバイオセンサを微小電極と酵素を用いて構築し,魚を遊泳させた状態で陸上からリアルタイムで健康診断を行うことを可能とした測定システムを創出することである.これまでバイオセンサを用いて血糖値を測定する場合,検体が全血であることからフィブリノーゲン等の凝固因子による血液凝固や酵素活性の低下などを引き起こしてしまうため,魚体にセンサを長時間刺入した状態での計測が困難であった.そこで,本研究では魚類体液の構成成分である魚眼球外膜内の間質液(EISF)に着目し,これを測定試料としてリアルタイムでの測定が可能なグルコースセンサの試作及びそのモニタリングを試みた.まず,血糖値及びEISFの相関関係を調べたところ,血液及びEISFにおけるグルコース含量は20〜340mg/dlの範囲で良好な相関関係が認められ, EISF中のグルコース濃度を測定することで,全血中の血糖値をある程度把握できることが明らかとなった.次に.魚体内に留置可能な埋め込み型酵素センサを製作するために,白金イリジウムを作用極とする微小電極(□0.178mm x 15mm)にグルコースオキシダーゼを固定化することによりグルコースセンサを製作し,このセンサを淡水魚(ティラピア)の眼球側面付近に挿入してグルコースのモニタリングを試みた.その結果,センサによる測定値と実際の血糖値との間には良好な相関関係が得られ,最大3日間の連続測定が可能であった.また,小型ワイヤレスポテンシオスタットを用いたテレメトリーシステムを作製することにより,魚を遊泳させた状態での血糖値のリアルタイム測定が可能であった.
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Research Products
(10 results)