2010 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジアにおける共通農業政策の展望-経済統合下の新展開-
Project/Area Number |
20380125
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
飯國 芳明 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 教授 (40184337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生源寺 眞一 東京大学, 学院・農業生命科学研究科, 教授 (40196580)
新山 陽子 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10172610)
鈴木 宣弘 東京大学, 学院・農業生命科学研究科, 教授 (80304765)
立川 雅司 茨城大学, 農学部, 准教授 (40356324)
厳 善平 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00248056)
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Keywords | 北東アジア / 共通政策 / 農業政策 / 経済統合 |
Research Abstract |
北東アジアにおける食料・農業・環境をめぐる連携をいかなる領域でいかなる道筋で強化すべきかをまとめた。まとめにあたって、(1)フードセキュリティ問題と北東アジアの連携、(2)食品安全・人獣共通感染症の社会問題化と北東アジアの連携、(3)食料輸入経済圏の形成と北東アジアの農業構造、(4)北東アジアにおける農村空間・環境管理の4つの観点から、現状と問題点の詳細な分析を行うとともに、成果を提言としてまとめた。提言は学術連携強化と政策連携強化のふたつの領域からなる。それぞれの柱は以下のとおりである。 (1)北東アジアにおける学術連携強化に向けた基礎づくり (1)北東アジアの食料・農業政策に関わる学術上の連携強化を日本のイニシアチブで進める。 (2)食品安全分野のレギュラトリーサイエンスの一環として、リスクアナリシスを定着させるための研究などの具体的な課題について、国際共同研究も視野に入れて取り組む。 (3)情報の恒常的な交換・共有のためのシステムを構築する。 (4)アジア学術会議をはじめとする国際的な学術組織において、北東アジアの連携を視野に入れつつ、食料・農業政策の今後の研究方向および関連分野における研究協力のあり方について、積極的に議論を展開する。 (2)北東アジアにおける政策連携強化に向けた日本のイニシアチブ (1)世界のコメ需給安定のための国際備蓄体制を強化する。 (2)北東アジアの食品安全性の向上のために専門的人材の育成に関する連携態勢の構築などの具体策を実施する。 (3)モンスーン・アジアにおける農村構造に関する知見を蓄積し、新たな資源管理方策を共同で構築する。 なお、以上の提言は中国語(簡体字、繁体字)及び朝鮮語への翻訳を完成し、今後、公表する予定である。
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