2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380138
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 浩 京都大学, 農学研究科, 教授 (50206207)
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Keywords | 生物環境調節 / 遺伝子発現 / 光質 / LED |
Research Abstract |
本年度は昨年度までに得られた光質とGA遺伝子発現の関係をもとに,光質が光合成速度に与える影響について定量的に検討を行った。光合成蒸散測定装置にはLI6400(Li-COR)を使用し、リーフチャンバには透明なビニール製の窓がついたチャンバートップを装着した。光源には赤色・緑色・青色LED(Philips Lumileds、LUXEON Rebel)を8つ(それぞれRed2つ・Green4つ・Blue2つ)使用し、光源の中央には測定の際に光源と測定対象の中心の位置を合わせるためのレーザーポインタを取り付けた。各色のLEDはコンピュータで制御された定電圧定電流電源装置で駆動しており,自作のプログラム(Visual Basic)で電流をコントロールすることによって,それぞれの色のLEDの光合成有効光量子束密度(PPFD)の値を制御した。これらの装置一式は温度のコントロールが可能なグロースチャンバ(日本医化器械製作所,KCLP-1000ICT)内に設置し,グロースチャンバ内の温度は20℃に設定した。 1色のLEDを基準に、3色の比を段階的に変えた光質プログラムを作成し、各光質2分間ずつの短時間で多数の光条件下における光合成速度を1つの供試植物で測定し相対的評価を行った。光強度を切り替えからそれに反応した光合成速度が安定するまでの時間は10秒程度と早く、今回行った実験のように多数の光合成速度を測定し評価することが可能であることがわかった。 光合成速度に最も寄与しているのは赤色光であり、青色光、緑色光と続き、この傾向は本実験で供試したグリーンウェーブとサンチュでは概ね一致した。供試植物の栽培にはいずれも蛍光灯を光源として用いており、LEDで多様な光を照射したのは光合成速度測定時のみなので、LED光源を用いたレタスの生育は行っていないが、この方法で数多くの品種・膨大な光条件で光合成速度の傾向を調べるには有効であることが判明した。
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Research Products
(3 results)