2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380138
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 浩 京都大学, 農学研究科, 教授 (50206207)
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Keywords | 生物環境調節 / 遺伝子発現 / 光質 / LED |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き光質が光合成速度に与える影響について定量的に検討を行った。光質を調節するため赤・緑・青色LED (Philips Lumileds、LUXEON Rebel)を使用し,集光レンズ(carclo、Opticselect,10208)を取り付けたものをヒートシンク(Advanced Thermal Solutions Inc、ATS-54210W-C2-RO)に張り付け加工した8つのLEDをアルミフレームの土台(エヌアイシ・オートテック株式会社,アルファフレーム)に両面テープで取り付け光源として使用した。LEDは色別に直列に直流電源(高砂製作所,EX-375U2)でそれぞれに負荷する電流値を変えることでRGB比を調節し,自由なスペクトルを作成した。またLED光源はアルミフレームの骨組みを通して高精度ステッピングモータステージ(コムス株式会社,PM80B-200X)に取り付けられ,コンピュータ制御によりコントローラー(同上,CP310)を通して光源の高さをステージの可動域である200mmの範囲で自由に設定できる.過去の実験では10-300μmol-2S-1の範囲で光合成測定を行い,光強度と光合成速度を軸にとった光-光合成曲線を描いた.この光強度の範囲ではいずれの光質においても光強度と光合成速度の関係が初期勾配のまま比例の関係で進んだため,光強度の上限をもう少し上に設定できるように改造した。 本実験における生体重の実験結果では,青色光を混合した処理区で生体重が低下した.過去の研究から多くの植物で青色光によるわい化が認められているが,この実験においても青色光を加えたものは茎長が短くなりわい化が起こった.わい化により植物を小さくする青色光は生体重の増加に関しても他の波長域より不利であるため,青色光を混合した処理区で生体重が低下したと考えられる.R100とR95B05で生体重に有意差は認められず,また青色光の刮合が増加するほど生体重が減少することが確認された.また,緑色光の比率を0%から30%まで変化させても生体重にほとんど差が出なかった.これらの範囲の比率では生体重増加の面において緑色光は,赤色光の代替が可能であることが推察される.
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