2008 Fiscal Year Annual Research Report
反芻動物における温室効果ガス抑制効果を有する天然素材インベントリー
Project/Area Number |
20380147
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
高橋 潤一 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 教授 (20111198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 一孝 国立大学法人帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20203581)
小田 有二 国立大学法人帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (80224244)
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Keywords | メタン / 亜酸化窒素 / 反芻動物 / プロバイオティクス / プレバイオティクス |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は反芻家畜から発生するメタン及び亜酸化窒素低減を目的とした資源循環に重点を置いたソリューション開発である。平成20年度はインベントリーの効力評価及び安全性確認をルーメンフローラ解析評価システムモデルの構築のための基礎実験を実施した。 1. インベントリーの培養評価系を平準化するための消化・発酵基質とする低質セルロースバイオマスのアンモニアストリッピング法による高品質飼料作出。代表的なソフトセルロース系バイオマスとして小麦稈を用い、高温発酵型バイオガスプラントに併設したセルロースバイオマスアンモニア処理実験設備によって窒素成分の質的・量的平準化を図り、亜酸化窒素ソリューション相対評価のための培養基質とした。アンモニアによる小麦稈のアンモノリシス(加安分解)効果はGC-MAS、NMR、IR分析等によるアミド化合物結合の確認によって実証した。 2. インベントリーの培養評価系 ルーメン発酵リアクターガス計測システムを用い、ルーメンフィスチュラ装着乳牛のルーメン液をイノキュラム及びアンモニア処理小麦稈を基質としてメタン、亜酸化窒素、二酸化炭素、水素及び窒素発生のガス代謝解析を行い、プロバイオティクス及びプレバイオティクス数種をメタンエミッション低減のインベントリー候補として評価した。その結果、ネガティブコントロールとして用いたモネンシンと共に枯草菌、乳酸菌、酵母等を主要構成菌とする混合生菌剤、乳酸菌の生産するプロテアーゼ耐性抗菌性物質、βガラクトオリゴ糖、高サポニン含有植物であるYucca schidigeraに顕著なルーメンメタン発生抑制効果が認められた。 3.ルーメンフローラ解析 モネンシン、混合生菌剤及びプロテアーゼ耐性抗菌性物質のルーメンフローラのエコシステムに及ぼす影響について真正細菌、古細菌及び真核生物のPCRを変性グラジエントゲル電気泳動(DGGE)法、制限酵素末端断片長解析(T-RFLP)法及び最確PCR(MPN-PCR)法により解析した。とくに古細菌についてメタン生成菌の消長が明らかになり、培養評価系の結果を指示する結果となった。
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Research Products
(25 results)