2009 Fiscal Year Annual Research Report
耐凍剤チャンネル発現の誘導による卵子・胚の万能凍結保存法の開発
Project/Area Number |
20380155
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
枝重 圭祐 Kochi University, 教育研究部・自然科学系, 教授 (30175228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 孫三郎 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (60152617)
越本 知大 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70295210)
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Keywords | 凍結保存 / 卵子 / 水透過性 / 耐凍剤透過性 / アクアポリン |
Research Abstract |
ICR系雌マウスから回収した1細胞期胚と卵核胞期卵子を、体細胞で水・耐凍剤チャンネルであるaquaporin 3を誘導することが知られているレチノイン酸またはデキサメサゾンを添加した培養液、あるいはソルビトールを含む高張な培養液で培養し、それぞれ2~4細胞期胚あるいは成熟卵子にまで発育させた。そして、その水に対する透過性と耐凍剤(エチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコール、アセトアミド、DMSO)に対する透過性が向上するかどうかをしらべた。胚の場合は、種々の濃度のレチノイン酸、デキサメサゾンあるいはソルビトールで処理しても水透過性と耐凍剤透過性に大幅な向上は見られなかった。卵子の場合も水透過性は向上しなかった。しかしながら、レチノイン酸を添加した培養液で成熟させた卵子は、エチレングリコール、グリセロールおよびプロピレングリコールに対する透過性は向上しなかったが、DMSOとアセトアミドに対する透過性が大きく向上した。また、高張条件で培養した卵子においても、DMSOとアセトアミドに対する透過性は向上したが、成熟しなかった。これらの透過特性から、aquaporin 3以外の耐凍剤チャンネルが誘導されたと考えられる。そこで、レチノイン酸を添加した培養液で成熟させた卵子を、DMSO液をベースにした保存液を用いてガラス化凍結した結果、融解後の生存率が無処理卵子と比べて大きく向上した。これらの結果から、卵子が成熟する過程で耐凍剤チャンネルを誘導することによって、卵子の耐凍性を向上させることが可能であることがわかった。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
Magosaburo Kasai
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Journal Title
Movement of water and cryoprotectants in mouse oocytes and embryos at different stages : relevance to cryopreservation. In : Fertility Cryopreservation(Chian R, Quinn P(eds.))(Cambridge University Press, Cambridge, U.K.)
Pages: 16-23
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