2009 Fiscal Year Annual Research Report
自給本能発現における海馬歯状回の神経幹細胞増殖とカンナビノイド受容体の役割
Project/Area Number |
20380158
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
石井 利明 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 教授 (50264809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古林 与志安 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (20301971)
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Keywords | 離乳 / 自給本能 / カンナビノイド受容体 / 記憶 / 学習 / 固執 / 海馬歯状回 / Me5 |
Research Abstract |
マウスの自給本能発現には三叉神経中脳路核(Me5)が離乳のシグナルを受容することが必要であり、また、成熟型の探索行動の獲得とその維持にもMe5が機能している。H20年度には、Me5破壊や離乳を遅延させると神経幹細胞の新生率が顕著に増加し、新生した幹細胞の多くが神経細胞に分化することや、海馬歯状回領域のカンナビノイド受容体(CB1)発現量がコントロールと比べて有意に増加することがわかった。さらにMe5破壊や離乳を遅延させたミルク食マウスの空間記憶・学習能力を水迷路法で評価すると、以前に学習した古い情報に固執し、新たな空間情報を学習・獲得する能力が低下していることがわかった。そこでH21年度は、海馬歯状回の神経細胞新生や空間記憶・学習に対するCB1の役割を調べることにした。CB1特異的阻害薬であるAVE1625を投与したマウスでは有意な効果が認められなかったが、CB1作動薬であるanandamideを投与したマウスは固執が現れ、海馬歯状回の神経細胞新生数が有意に増加した。海馬は長期記憶が形成されるまでの間、学習により得られた情報を短期間、一時的ではあるが想起のために保存する。海馬歯状回のCB1活性化に伴う神経細胞新生数の増加は、古い空間情報を消去する海馬機能を低下させた結果、古い情報に対する固執が高まり、新たな情報を獲得・保存する海馬の機能にも障害が生じた可能性が考えられる。次に、自然離乳前後のマウスで海馬標本を作製し、CA1領域の長期増幅(LTP)と長期抑制(LTD)を調べた結果、自然離乳期には一過性にLTDが消失することや離乳を遅延させたミルク食マウスではLTDが起こらないことがわかった。今後、これらの離乳マウスにおいて、CB1が神経細胞新生、LTD誘導や記憶・学習能力に果たす役割について調べる。さらにMe5破壊マウスにおいてもLTPとLTDを解析する。
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Research Products
(4 results)