2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムサインによる野生動物および寄生虫内微生物の空間・時間移行データマップの作出
Project/Area Number |
20380163
|
Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
遠藤 大二 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (40168828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 満彦 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (30184138)
金子 正美 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (00347767)
|
Keywords | メタゲノム / バイオインフォーマティクス / degenerateプライマー / 野鳥 / 野鳥食餌植物 / 野鳥食餌昆虫 / 脊椎動物共通プライマー / GIS情報 |
Research Abstract |
本研究は、糞中からメタゲノムを抽出・特定する技術を確立し、その技術により野生動物の疾病学的な解析を行う宿主病原体メタゲノム解析と、これらのゲノム情報を用いて、地球規模のエコシステムを評価する手法を開発する生物マトリックス解析を目的とする。 本年度は、メタゲノムを抽出・特定する技術の確立のため、(1)GenBankから確定版のゲノムデータおよび未整理のゲノムデータ(wgs)を収集し、150種程度の生物のゲノム情報を研究用データベースに格納した(メタゲノム解析用基本データベース)。続けて、このデータを用い、線虫を共通して増幅するdegenerateプライマーを構築し、野鳥から採取された線虫でのゲノムの増幅を確認した。また、脊椎動物を共通して増幅するプライマーも設計し、野生ほ乳類・鳥類自身に加えて、食餌性の魚類を同定するための方法を確立した。加えて、野生動物の感染の可能性が予想されるウイルスについて、ウイルス科レベルでの共通プライマーを設計するためのプログラムを開発し、アレナウイルス等で広範囲のウイルスを共通して増幅する結果を得、野生鳥類の血清・糞便中のウイルスを同定するための基盤技術を確立した。 同様に、野鳥の食餌植物および昆虫類についても同様のプライマーの設計プログラムを開発した。解析技術の開発と並行して、野鳥血清、食餌植物・昆虫および寄生線虫類の採取を採取地の位置情報を記録しつつ実施し、GIS情報を合わせることにより食餌・寄生生物および野鳥に対する農地開発あるいは地球温暖化等の影響を検討するための基盤を作出した。
|