2010 Fiscal Year Annual Research Report
転移経路の異なる犬乳癌と骨肉腫における転移関連因子の比較解析
Project/Area Number |
20380170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 伸雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60107414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
西村 亮平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80172708)
望月 学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90261958)
中川 貴之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (40447363)
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Keywords | 犬骨肉腫 / 犬乳癌 / 細胞株 / 転移経路 / 肺転移 / ヌードマウスモデル / NF-kB / VEGF |
Research Abstract |
本研究の目的は、腫瘍の悪性度と周囲組織との関連を検討する一助として、犬の乳癌と骨肉腫のヌードマウスモデルにおいて、原発巣と同じ部位(同所性)あるいは異なる部位(異所性)に移植した場合、その悪性度や転移能に差があるか否かを検討することにある。 犬骨肉腫細胞に関しては悪性度の異なる3種の細胞株を、皮下(異所性)、脛骨(同所性)および静脈内(肺転移陽性コントロール)に移植した。もっとも悪性度の高い細胞株においても、皮下移植に比較し、脛骨移植の方が腫瘍の増殖は早く、また肺転移も数、大きさともに進展が早かった。一方、その際のezrinの発現では、原発巣での発現が高いほど、転移が多かったが、しかし、転移巣では、逆にezrinの発現は低下した。このことは、転移に関し手ezrinは何らかの役目を果たすが、転移巣における増殖には大きく関与しない可能性も示唆された。 乳癌に関しては、転移経路ではなく、血管新生、あるいは炎症に関連するNF-kBと悪性度に関して検討した。その結果、VEGF-Aは乳腺腫瘍の増殖ならびに転移と関連し、またその際には組織の血管新生も増大した。また、NF-kBも同様に乳癌の悪性度に強く相関し、またその抑制によって、腫瘍増殖が抑制される可能性を示した。今後、これらは悪性度の指標となり、またその抑制が治療法のひとつとなりうることが示された。
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Research Products
(5 results)