2010 Fiscal Year Annual Research Report
イヌのアトピー性皮膚炎に対するイヌキメラ抗IgE抗体を用いた新規治療法の開発
Project/Area Number |
20380172
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
前田 貞俊 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50377694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 拓也 山口大学, 農学部, 准教授 (90398826)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 動物モデル / イヌ / IgE |
Research Abstract |
平成22年度に得られた研究結果は以下の通りである。 1. 新規マウス由来抗イヌIgE抗体の作製:これまでと同様な方法を用いて、新規のモノクローナル抗体を2クローン(CCH3-4、CCH3-15)作製し、肥満細胞に対するイヌIgEの結合阻害能を評価した。その結果、これらの抗体はいかなる濃度においてもイヌIgEと肥満細胞の結合を阻害しないことが明らかとなった。 2. ラット由来抗イヌIgE抗体の作製:イヌIgEのCH3領域のリコンビナント蛋白または同領域をコードする遺伝子を組み込んだ発現ベクター(pCAGGS)を用いてラットを免疫し、4クローン(CCH3-21、CCH3-22、X-1、X-2)のモノクローナル抗体を作製した。これらのモノクローナル抗体によるイヌIgEと肥満細胞の結合阻害能を評価したが、いかなる濃度においても有意な阻害効果は認められなかった。 3. 肥満細胞における脱顆粒抑制効果の評価:昨年度に作製した抗イヌIgEモノクローナル抗体のうちイヌIgEおよびFceRIと複合体を形成したクローン(CCH3-5)を用いて、肥満細胞の脱顆粒抑制効果を評価した。モノクローナル抗体-Derf2特異的IgE複合体またはDerf2特異的IgEの存在下で肥満細胞を12時間培養した後、遺伝子組み換え型Derf2を添加し脱顆粒を誘起した。脱顆粒はβ-hexosaminidase assayによって定量化したが、モノクローナル抗体-Derf2特異的IgE複合体による有意な阻害効果は認められなかった。
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