2008 Fiscal Year Annual Research Report
体外成熟卵胞由来イヌES細胞の樹立と再生医療への応用
Project/Area Number |
20380174
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
稲葉 俊夫 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (00137241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 喜久弥 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30171143)
鳩谷 晋吾 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (40453138)
桜川 宣男 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70183374)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
玉田 尋通 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10155252)
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Keywords | イヌ / ES細胞 / 卵子 / 体外成熟 / 体外発育 / コラーゲン・ゲル / 三次元培養 |
Research Abstract |
本研究は、ヒトと同様な生活習慣病の自然発症がみられるイヌに着目し、イヌES細胞の樹立を行い、再生医療モデルを確立することを目的にしている。本研究年度では、ES細胞樹立に必要な胚盤胞期胚を、何万個もあると言われている卵巣内卵母細胞から定常的かっ安定に供給できる方法の開発を試みた。イヌ卵巣内卵母細胞はウシ等と比べて選別された胞状卵胞から得ることが困難なために、体外成熟技術の開発は立ち遅れており、体外成熟の前に卵母細胞を大きく成長させる体外発育技術の開発が求められている。卵子の成熟には卵子の周りにある卵丘細胞が不可欠とされている。そこで、卵子・卵丘細胞の立体構造を保つためにコラーゲン・ゲルによる三次元培養を行い、以下の結果を得た。 1.コラーゲン・ゲルによる三次元培養では、卵子・卵丘細胞の立体構造を長期間保つ培養が可能になり、卵母細胞の発育が促進されることが示唆された。 2.培養液にhypoxanthine(HX)を添加することで、卵子と卵丘細胞間の結合が高まるとともに、減数分裂停止を維持することができ、卵母細胞の発育に効果的であることが示唆された。 3.培養液に卵胞刺激ホルモン(FSH)を添加することで、卵丘細胞の増殖を促し、疑似卵胞を作製できることが分かった。 4.上記の結果をふまえて、7日間コラーゲン・ゲルで体外発育を行った後、体外成熟を行ったところ、オイルドロップで48時間体外成熟を行った場合に比べて、有意にMII卵子の割合が増加した。 以上のことから、HXおよびFSH添加培養液を用いたコラーゲン・ゲル三次元培養は、卵子の発育およびその後の核成熟に効果的であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)