2011 Fiscal Year Annual Research Report
体外成熟卵胞由来イヌES細胞の樹立と再生医療への応用
Project/Area Number |
20380174
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00137241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 喜久弥 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30171143)
鳩谷 晋吾 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (40453138)
桜川 宣男 北里大学, 医療衛生学部, 研究員 (70183374)
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
玉田 尋通 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10155252)
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Keywords | イヌ / ES細胞 / iPS細胞 / 卵子 / 体外成熟 / 神経細胞 / 骨髄間質細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究は、ヒトと同様な生活習慣病の自然発症がみられるイヌに着目し、イヌES細胞の樹立を行い、再生医療モデルを確立することを目的にしている。本研究年度では、昨年度に引き続きイヌES細胞樹立に必要な胚盤胞期胚を得るために、卵子の効果的な体外成熟法の開発を試みた。またES細胞の継代技術を確立するために、同様の性質を有するイヌ人工多能性幹細胞(iPS細胞)を代用して検討した。さらに、多分化能をもつ骨髄間質細胞で代用した脊髄損傷イヌの細胞治療について検討し、以下の結果を得た。 1.性成熟の開始が遅延している雌イヌに性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体の徐放剤(GnRH徐放剤)投与による発情誘起、および発情休止期の雌イヌにprostaglandin F_<2α>、を投与して黄体を早期に退行させた後、GnRH徐放剤投与による次回発情回帰の短縮で、体外成熟に適したイヌ卵子を効率よく得られることがわかった。 2.材料採取の簡便なネコの卵子を用いて、体外受精後、5%ウシ胎子血清含有Only-one培地で体外培養し、得られた胚盤胞期胚から内部細胞塊を分離してマウス胎子線維芽細胞(MEF)と共に培養した結果、効率的にES様細胞コロニーが得られた。 3.イヌ胎子線維芽細胞に4つの多能性関連転写遺伝子(Oct4,Sox2,Klf4およびc-Myc)をレンチウイルスにより導入して作製したイヌiPS細胞は、MEFと共にKSR含有ES培地で培養した結果、25継代以上まで維持できた。 4.重度脊髄損傷を受傷後1週間以内で、感覚および運動機能を欠如した胸腰部椎間板ヘルニアのイヌを用いて、脊髄の減圧および逸脱した椎間板物質の除去手術を行い、自己の骨髄間質細胞を第5および6腰椎間より脳脊髄液中へ移植して安全性の評価を行なった結果、7頭中2頭が歩行可能となり、細胞移植に伴う感染症や腫瘍形成は観察されなかった。
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Research Products
(14 results)