2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネ科におけるグリシンベタイン合成・輸送・蓄積機構に関する研究
Project/Area Number |
20380177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高倍 鉄子 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60089852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三屋 史朗 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (70432250)
谷口 光隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40231419)
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Keywords | 環境 / 植物 / ストレス / 発現制御 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
オオムギCMO遺伝子のクローニングに成功し、大腸菌で合成させたCMOタンパク質を用いて、コリンからベタインアルデヒドに変換する酵素活性を測定することに成功した。これまで知られているアカザ科のCMOは葉緑体のチラコイド膜に依存するものであったが、オオムギCMOはチラコイド膜に依存せず、ミクロソーム画分を必要とした。活性の測定はまだ再現性に乏しく、さらにGC-質量分析機をも用いて解析の精度を高めていく必要がある。また、CMOタンパク質をGFPとの融合タンパク質として、タマネギ表皮細胞で発現させたところ、ER膜に局在することが明らかになった。CMOに続く酵素BADHがサイトソルにあることを考えると非常に理にかなっている。アカザ科ではCMOもBADHも葉緑体に局在する。全く違うグリシンベタイン合成経路がイネでは使われていることが明らかになってきた。 また、グリシンベタイン輸送体の解析を行った。本輸送体はグリシンベタイン以外にもプロリンやGABAも基質とするが、グリシンベタインに対するKm値が一番低く、これを基質としている可能性が一番高い。また、この遺伝子の発現は古い葉で高く、新しい葉で低い。グリシンベタインの蓄積は新しい組織で多いことを考えると、このグリシンベタイン輸送体は古い葉から新しい組織にグリシンベタインを輸送している可能性が高いことを示す。グリシンベタインには分解系が知られておらず、このグリシンベタイン輸送体がストレスのあるないに関わらず、新しい組織における浸透圧調節にためにグリシンベタインを輸送していることを示唆した。
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Research Products
(7 results)