2012 Fiscal Year Annual Research Report
地域の有機性資源と鉄バクテリアを用いたリン資源の循環利用システム
Project/Area Number |
20380179
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60227022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 吉彦 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50218179)
深田 耕太郎 島根大学, 生物資源科学部, 助教 (40633178)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 鉄バクテリア / 木質バイオマス / 資源循環 / 水質環境 / 地下水 / リン肥沃度 |
Research Abstract |
本研究では,地域の有機性資源(木質バイオマス)を用いた担体を,地下水や浸透水由来の水が多く含まれる自然水域で浸漬させ,リン吸着能を持つ鉄バクテリア集積物を集めた。そして,回収した担体のリン酸肥沃度を評価するとともに,特に担体の条件として酢酸処理の影響について検討した。具体的には,これまでの木質担体を酢酸の溶液に浸漬させたものと,110℃で乾燥させて加水分解に伴う酢酸の生成を促すものを用いた。その結果,酢酸処理によって鉄とリンの吸着は増加するものの,統計的な有意性には至らず,コストと手間をかける価値があるかについては疑問に思われた。また,木質担体上の鉄バクテリア集積物が回収したリンについて,これまでの弱酸で短時間の抽出である可給態リン酸ではなく,強酸で長時間の抽出である全リンでの評価を行った。その結果,これまで評価していた可給態リン酸の値は,全リンの64.9%に相当していた。可給態リン酸の全リンに対する割合にはバラつきが見られたが,これは,鉄表面における吸着水や水酸基の構造が複雑であることに原因があると考えられた。そしてこの全リンの値を用いて算出した面源負荷削減量は0.308kg/haとなり,これは,たとえば湖沼水質保全計画での水田のリン原単位の平均値(1.13 kg/ha)の約27%に相当していた。さらに,スギ材に人工乾燥処理を施し,心材部および辺材部の色の変化を調査した結果,明度を示すL値が心材では乾燥処理温度の上昇とともに上昇し、辺材では低下することが分かった。さらに,浸漬後の木質担体の高リン酸溶液中におけるリンの吸着実験を撹拌条件下で行った。その結果,約24時間後には初期濃度の3割程度まで低下するものの,その後は若干の濃度上昇がみられ,撹拌条件中の解離溶脱の影響が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)