2009 Fiscal Year Annual Research Report
多様な在地・在野の野外研究者による水田生物多様性変容の謎解き-普通種激減の危機-
Project/Area Number |
20380180
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
日鷹 一雅 Ehime University, 農学部, 准教授 (00222240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶺田 拓也 愛媛大学, 農村工学研究所, 研究員 (70360386)
渡邊 修 信州大学, 農学部, 准教授
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 助教 (20262230)
東 淳樹 岩手大学, 農学部, 講師 (10322968)
大澤 啓志 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20369135)
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Keywords | 水田 / 生物多様性 / 環境影響評価 / 農生態学 / 保全 / 普通種 / 冬期湛水 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究は大まかに3段階からなり、第1段階は「疫学的調査」であり、激減が生じている水田普通種の選定を多方面からの調査データから検討する。第2段階は「要因解析」であり、それらの種個体群が激減した原因に関する原因の仮説を複数取り上げ、第3段階の「原因究明実験と成果公表」では検証していくというものであり、2年度は第2,第3段階へ移行を進め、以下のような成果を得た。 1) 研究計画書の重点項目にあげていている第1段階の「疫学的調査」と一部の激減種について、第2、3段階の「要因解析」の段階に研究を進展できる種を選定する作業を進めた。とくに減少傾向が著しかったのは、日本各地に広く分布する水田の水生昆虫普通種であった。近年激減しているこれら普通種群に悪影響を及ぼす要因について、地域に広く普及している農薬成分を特定化し、その影響評価方法としてメソコズムとマイクロコズムを考案し、半致死濃度のデータ収集を進める予備実験を進め、影響評価データを順次生産できる準備ができた。学会でシンポジウムを3件開催し多数の公表を行うことができ、現在投稿論文を執筆中のものがある。CRCからの洋書の一章を担当執筆出版できた。 2) また、第2段階の要因解析の激減5仮説(新農薬・侵入生物・栽培環境・圃場整備・温暖化)の検証が可能な題材については、多様な在地の調査研究者との交流を進め、第1段階については学術論文として公表できるものが農薬、圃場整備について4報生産できた。計画最終年度に向けて、影響評価実験の本格的な着手・遂行が期待される。多様なモニタリング主体の協働を進めるためのパタラクソノミスト図鑑を作成し、本研究の推進だけでなく成果の還元の道も開けた。
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Research Products
(13 results)