2009 Fiscal Year Annual Research Report
腸上皮細胞および二枚貝中腸腺細胞へのノロウイルスVLPの結合と細胞応答
Project/Area Number |
20380184
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 幹 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20144131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灘野 大太 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (00228074)
岡島 徹也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20420383)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 糖鎖 / 食品 / 環境 |
Research Abstract |
1.ヒト腸上皮様細胞株のノロウイルスVLPs受容体の探索 ヒト腸上皮様細胞株の受容体候補分子の探索を行った。昨年度の結果をもとに培養腸上皮細胞の表面ビオチン化処理により膜タンパク質をビオチン標識し、アビジンカラムでビオチン化タンパク質を濃縮し、電気泳動で分離した。そのタンパク質をPVDF膜に転写して、ノロウイルスVLPsを反応させ、結合するタンパク質を探索した。しかし、VLPsの明確な結合は検出できなかった。ビオチン化される分子にバイアスがかかっており、受容体候補分子が十分には濃縮できていなかったためと推定された。表面ビオチン化に代えて、窒素キャビテータを用いて細胞の形質膜画分の調製を試みる。また、ヒト腸上皮細胞に発現するH型組織血液型抗原糖鎖とVLPsとの結合の関連性について再現性を見る実験をおこなった。H型糖鎖陽性細胞とVLPs結合細胞は必ずしも全てが一致しない、という結果が再現され、少なくとも培養細胞ではVLPs受容体はH型糖鎖のみではなく、別の因子、分子も関与することが確認された。 2.二枚貝中腸腺上皮組織のノロウイルスVLP受容体の探索 昨年度のアサリ組織切片の蛍光レクチン染色により、中腸腺組織および粘膜上に発現する糖タンパク質糖鎖の局在が明らかとなったため、今年度はレクチン染色陽性組織を摘出し、そこから膜画分を調製した。穏やかな条件でタンパク質を可溶化してSDS-PAGEで分離した後、PVDF膜に転写してレクチン染色とVLPsによるリガンド・ブロット分析を行った。膜タンパク質の中にはVLPsと結合するタンパク質が存在し、レクチン染色にも陽性を示した。
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Research Products
(2 results)