2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の小胞体タンパク質品質管理機構の分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
20380188
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小泉 望 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (20252835)
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Keywords | 小胞体 / タンパク質の品質管理 / シロイヌナズナ / 転写因子 / シャペロン |
Research Abstract |
シロイヌナズナの小胞体タンパク質品質管理機構の分子メカニズムについて、特にAtbZIP60とAtbZIP28の2つの膜結合型転写し因子を中心に解析を行った。AtbZIP60は小胞体ストレスに依存してタンパク質切断を受け活性化されると考えられるが、その切断機構は不明である。そこで、AtBiP3pro::GUSを持つシロイヌナズナに変異処理をおこなったM2種子を用いてGUS活性を指標にスクリーニングを開始した。この植物ではAtbZIP60の活性化が起こらなければGUS活性の誘導が見られないので、期待する変異体はAtbZIP60の活性化に異常があると考えられる。数千のM2種子をスクリーニングし、候補が得られた。今後詳細な解析が必要である。AtbZIP28のより詳細な解析のために遺伝子破壊株の単離をおこない、その小胞体ストレス応答関連遺伝子の発現を調べたが、顕著な発現の差は認められなかった。AtbZIP60により機能が相補されている可能性が考えられたので、両遺伝子が破壊された二重変異体を作出した。AtbZIP28とAtbZIP60の二重欠損変異体の解析から他にも小胞体ストレス応答に関わる転写因子が存在することが示唆されたため酵母ワンハイブリッド法を用いて新たな転写因子を単離するための実験に着手した。またAtbZIP60がフモニシンB1により活性化され、小胞体ストレス応答とは異なる情報伝達系の制御に関わることも明らかとした。さらに、酵母や動物で小胞体ストレス応答の中心的役割を果たすセンサー分子IRE1のホモログ遺伝子の遺伝子破壊株に関しても二重変異体を作成し、その遺伝子発現についての解析に着手した。
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