2009 Fiscal Year Annual Research Report
高選択的不斉触媒反応の開発と有用生物活性物質の合成
Project/Area Number |
20390002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (80107391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 精一 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (90261320)
穴田 仁洋 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (90344473)
南部 寿則 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80399956)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / 不斉触媒反応 / カルベン / カルボニルイリド / 1,3-双極付加環化反応 / ナイトレン / 高分子担持型錯体 / C-H挿入反応 |
Research Abstract |
N-フタロイルアミノ酸を架橋配位子として組み込んだロジウム(II)カルボキシラート錯体およびその誘導体を用いた不斉触媒反応を検討し、本年度は以下の成果を得た。 (1)α-ジアゾ-β-ケトエステルをカルボニルイリド前駆体、フェニルアセチレンまたはスチレン誘導体を求双極子剤とする逆電子要請型分子間不斉1,3-双極付加環化反応を機軸とするデスクライニン等の含酸素多環式天然物の触媒的不斉合成を達成した。 (2)(2-ニトロフェニルスルホニルイミノ)フェニルヨーディナンをナイトレン前駆体とする1,3-ジエンの不斉アジリジン化反応において、Rh_2(S-TCPTTL)_4を触媒に用いると最高88%の不斉収率が得られることが分かった。 (3)不溶性高分子担持型Rh_2(S-PTTL)_4が種々のジアゾ基質の分子内不斉C-H挿入反応に利用可能であることが分かった。特に母型錯体を用いた場合に触媒量の低減が困難であったα-メトキシカルボニル-α-ジアゾアセトアミドの分子内不斉C-H挿入反応において、触媒を極性溶媒で洗浄すること繰り返し使用が可能であることが分かった。 (4)ロジウム(II)アミダート錯体Rh_2(S-BPTPI)_4を不斉ルイス酸触媒として用いるヘテロDiels-Alder(HDA)反応の開発とその応用研究として、抗骨粗鬆症作用を示す天然物ジオスポンジン類の触媒的不斉合成を行った。また、Rh_2(S-BPTPI)_4は従来ルイス酸触媒を用いた不斉触媒反応の報告例のない2-アザ-3-シロキシジエンとアルデヒドとの不斉HDA反応にも利用可能であり、最高不斉収率97%でシス-2,6-二置換テトラヒドロ 1,3-オキサジン-4-オンが得られることが分かった。
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Research Products
(6 results)