2010 Fiscal Year Annual Research Report
高選択的不斉触媒反応の開発と有用生物活性物質の合成
Project/Area Number |
20390002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 俊一 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (80107391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穴田 仁洋 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (90344473)
南部 寿則 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80399956)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / 不斉触媒反応 / カルベン / カルボニルイリド / 1,3-双極付加環化反応 / ナイトレン / ルイス酸触媒 / ヘテロDiels-Alder反応 |
Research Abstract |
N-フタロイルアミノ酸を架橋配位子として組み込んだロジウム(II)カルボキシラート錯体およびその誘導体を用いた不斉触媒反応を検討し、本年度は以下の成果を得た。 1.Rh_2(S-TCPTTL)_4を用い、α-ジアゾ-β-ケトエステルをカルボニルイリド前駆体、エチルビニルエーテル求双極子剤とする逆電子要請型不斉1,3-双極付加環化反応により、エングレリン類のコア骨格への変換が可能なエキソ配置の付加環化生成物を良好なジアステレオ選択性かつ最高95%の不斉収率で得ることができた。 2.α-ジアゾ-β-ケトエステルをカルボニルイリド前駆体、N-メチルインドールを求双極子剤とする不斉1,3-双極付加環化反応にRh_2(S-TCPTTL)_4を用いると、エキソ配置の5環性インドール誘導体が不斉収率99%で得られることが分かった。 3.挿入位置にインドールが置換したスルファマートとPhI(OAc)_2から系中で発生するイミノヨージナンを基質とする分子内不斉C-Hアミノ化反応について不斉ロジウム(II)カルボキシラート錯体のスクリーニングを行うと、Rh_2(S-TCPTTL)_4を用いた場合に対応する環状スルフアミダートを高収率かつ90%の不斉収率で得ることができた。また、収率・不斉収率獲得にはインドール窒素原子上のBoc基が重要であることが分かった。 4.ロジウム(II)アミダート錯体Rh_2(S-BPTPI)_4を不斉ルイス酸触媒として用い、4-位にメチル基が置換した2-アザ-3-シロキシジエンとα,β-アセチレンアルデヒドとの不斉ヘテロDiels-Alder(HDA)反応を機軸とするF-ATPase阻害物質クルエンタレンAのアミド側鎖に相当するシン-β-ヒドロキシ-α-メチルアミドの不斉合成を行った。
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Research Products
(9 results)