2010 Fiscal Year Annual Research Report
有用な生理活性を示す多環性アルカロイドの革新的合成法の開発
Project/Area Number |
20390003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
徳山 英利 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00282608)
|
Keywords | レパジフォルミンA / ヒストリオニコトキシン / ペトロシン / イソシゾガミン / ラジニラム |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に全合成を達成したレパジフォルミンAの合成研究で得た知見をもとに、類似のアザスピロ骨格を有するアルカロイド、ヒストリオニコトキシンの不斉合成研究を行った。まず、ラセミ体を用いて本ラジカル転位-環化連続反応を検討した。ラジカル条件下で生成する、生成物のスピロ中心に相当するsp^3ラジカルの素早い反転を利用して、光学活性ジオール由来のケタールから遠隔不斉誘導により、ジアステレオ選択的なアザスピロ環の形成法を確立し、コア骨格の構築に成功した。本結果は、アザスピロ化合物の不斉合成の際に従来必要であった、スピロ中心の立体制御が不要になることから、工程数の大幅な短縮につながることが期待できる。 抗HIV活性を示す16員環ビスキノリジジンアルカロイド、ペトロシンについては、モノマー単位であるキノリジジン環の効率的二量化法に関して検討を行った。その結果、鈴木宮浦クロスカップリングを用いる二成分連結および配座制御に基づく閉環メタセシスを鍵とする不斉全合成を達成した。これまでラセミ体でのみ調べられていた抗HIV活性を、合成した両鏡像体について活性を測定したところ、ほとんど差が見られなかった。 また、独自に開発した1,2-ジアミノエテン誘導体の酸化的骨格転位反応を用いる、アミナールを有する天然アルカロイドであるイソシゾガミンの合成研究を行った。モデル化合物を用いた検討の結果、アミナール部を含む骨格構築に成功しており、本転位反応がアミナール系化合物の合成に極めて有用であることが分かった。 さらに、抗腫瘍性アルカロイドであるラジニラムについては、金触媒を用いる新規ピロール合成法を開発することで、全合成を達成した。本方法は、容易に調製可能な鎖状化合物から一挙にピロールが得られる点で優れており今後基質一般性についても検討を行う。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation]2010
Author(s)
戸谷博希, 岡野健太郎, 高橋淳, 田中晴雄, 高須清誠, 井原正隆, 徳山英利
Organizer
第52回天然有機化合物討論会
Place of Presentation
静岡
Year and Date
2010-10-01
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-