2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390008
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
内藤 猛章 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 興子 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90102110)
上田 昌史 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (00340935)
宮部 豪人 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10289035)
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Keywords | ドミノ反応 / ラジカル / イオン / オキシムエーテル / 環境重視型反応 |
Research Abstract |
最終年度も引き続き、共役π電子系として共役イミン類を反応基質に用いてラジカル種やイオン種などの多様な反応活性種を活用した新規ドミノ反応を検討した。大気中の酸素分子を捕捉する環境調和型酸化反応、ラジカルーイオン型ドミノ反応(Annulation反応や遷移金属触媒反応との融合反応)も検討し、高度に官能基化された生成物を一挙に構築する方法論が開発できた。特にその開発過程で予想外の生成物を単離できたことから、一操作で多官能基化された付加価値の高い多様な化合物が合成できる方法も確立できた。 1. 共役オキシムエーテル類の水中ドミノ型反応を開発した。これまでほとんど注目されていなかったインジウム塩をラジカル開始剤として用いたアルキルラジカル付加と酸化反応からなる新規ドミノ型反応を開発するため、基質の構造特異性、用いる溶媒、考えられる酸素源や量などの反応条件を徹底的に検討した。その結果、ラジカル付加反応と同時に水酸化反応も同時進行するドミノ反応を見出した。なお、本反応の詳細な反応経路の解明にはいたらなかった。 2. π酸性遷移金属触媒による三重結合への付加反応は最近特に注目されている有機合成反応のひとつであることから、特異な反応性が期待できる三重結合と共役したオキシムエーテル類を基質として用いたドミノ型反応を検討した。金、銀、銅などのコイン元素およびその塩類を触媒として、酸素上に多様な置換基を有するアルキニルオキシムエーテル類を基質として用いる反応を系統的に検討したところ、炭素-ヘテロ原子結合形成および炭素-炭素結合形成が連続的に進行する効率的合成反応が開発できた。本新規ドミノ型反応は多置換イソキサゾール類の構築法として過去の例を凌ぐ手法であり、医薬品、半導体や機能性分子の合成法として有用である。 3. 本研究に関連して、官能基化されたフッ素化合物の新規合成にも成功した。
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Research Products
(5 results)