2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 順一 東北大学, 病院, 名誉教授 (80006337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞野 成康 東北大学, 病院, 教授 (50323035)
島田 美樹 東北大学, 病院, 准教授 (10196488)
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Keywords | 胆汁酸 / リン酸化タンパク質 / 結合タンパク質 / プロテオーム / 機能性器材 |
Research Abstract |
牛血清アルブミンのトリプシン消化物に対し、合成ペプチドFAGSSYApSFKの誘導体化物を混合し、nanoLC/ESI-MS/MS分析した。その結果、昨年度に構築したニュートラルロススキャンによる誘導体化ペプチドの選択的抽出法により、容易にリン酸化ペプチドを特定でき、さらにMS/MS解析によりリン酸化部位の特定も可能であることが判った。次に、β-カゼインを含む10種のタンパク質混合物を還元アルキル化後、N-(4-ブロモベンジル)アミノエタンチオールにより誘導体化し、酵素消化した。得られたペプチド混合物をnanoLC/ESI-MS/MS分析したところ、962のプロダクトイオンマススペクトルが得られ、上記条件で抽出すると、β-カゼイン由来のリン酸化ペプチドのみがピークとして認められ、本法により、複雑な混合物中のリン酸化ペプチドを容易に特定できることが判明した。 2種のCDCA固定化cleavable affinity gel、すなわち側鎖末端にリンカーを接続したゲルAと3位からリンカーを接続したゲルBを用いて、HepG2細胞およびラット肝細胞質画分中の結合タンパク質の抽出を試みた。その結果、ゲルAを用いるとき、HepG2細胞からペルオキシレドキシン1が効率的に濃縮され、本タンパク質がCDCAのA、B環付近と直接結合することが示唆された。一方、ゲルBを用いるとジヒドロジオールデヒドロゲナーゼが濃縮され、従来から胆汁酸結合タンパク質として知られる本タンパク質が、主にC、D環や側鎖周辺を認識していることが判った。また、ラット肝細胞質画分を用いたときも、ペルオキシレドキシン1が濃縮され、本タンパク質との結合は種を超えて共通であることが明らかとなった。さらに、ラット肝における胆汁酸結合タンパク質として知られているグルタチオンS-トランスフェラーゼも効率的に抽出され、本法が小分子結合タンパク質の特定に有効であることが実証された。
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Research Products
(19 results)