2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病遺伝子治療を目指した非侵襲的な皮内遺伝子送達システムの開発
Project/Area Number |
20390016
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小暮 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70262540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 貴士 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (80411031)
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Keywords | 遺伝子送達 / 糖尿病 / インスリン / 皮膚 |
Research Abstract |
昨年度、MENDによるin vivoにおける遺伝子発現を検討し、レポータータンパク質およびインスリンの発現を確認することに成功したが、発現量が低かったため、血中グルコース濃度を有意に低下させることはできなかった。そこで、より効率よくMENDを皮下に送達し、高い遺伝子発現を実現するために、物理的経皮送達法を組合せ、皮内におけるMENDの動態を評価したところ、皮内内奥までMENDの送達に成功した(特許出願手続き中)。さらに、レポータープラスミドを封入したMENDを用いて遺伝子発現活性を評価したところ、従来の無針注射法のみで皮内に投与した場合の遺伝子発現量と比較して、新しい送達法の場合には有意に5倍以上の遺伝子発現活性の増大が認められた。他方、インスリン遺伝子治療において問題となるのが、血中グルコース濃度に関係なくインスリンが分泌されることによる副作用(低血糖症)である。この問題を解決するために、グルコース濃度に応答してインスリン発現を制御可能なプラスミドの構築を行った。具体的には、L型ピルビン酸キナーゼ(LPK)プロモーターをレポーター遺伝子上流に組み込み、培養細胞において培地中のグルコース濃度を変化させた場合、グルコース濃度に依存して遺伝子発現活性が10倍弱上昇することを確認し、グルコース濃度応答性プラスミドの構築に成功した。現在、このプラスミドをMENDに組み込み、上記の新しい経皮送達法を用いてin vivoにおけるグルコース濃度依存的な遺伝子発現制御を試みており、今年度には。MENDの皮内投与による糖尿病治療効果を得られると考えている。
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Research Products
(14 results)