2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルナー症候群原因遺伝子産物WRNとWRNに結合するWRNIP1の機能の解析
Project/Area Number |
20390020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 周右 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (00216970)
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Keywords | ウェルナー症候群 / 早期老化 / WRN / WRNIP1 / RAD18 / DNA損傷回避 / 複製フォーク / ユビキチン化 |
Research Abstract |
本研究はウェルナー症候の原因遺伝子産物、WRNに結合するタンパク質として我々が発見したWRNIP1の機能を解析することにより、このWRNIP1が関与する新規なDNA損傷回避の分子機構を解明するとともに、この損傷回避経路に対してWRNやRAD18がどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目標にしている。 共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いて細胞にDNA損傷を与えてWRNIP1の損傷部位への集積を調べたところ、約10分をピークに損傷部位への集積が観察された。照射したレーザー光の強度から、WRNIP1はDNAの単鎖切断部位に集積していることが示唆された。この集積にはWRNIP1のN末にあるUBZ(ubiquitin-binding zinc finger)ドメインが必要であり、DNA傷害により傷害部位でユビキチン化されたタンパク質を認識してWRNIP1が集積すると考えられる。 また、WRNIP1のDNAへの結合を調べたところ、複製の進行が停止した状態を反映したギャップのある複製フォーク型のDNAやtemplate-pdmer型のDNAに結合した。この結合はATPに依存しており、WRNIP1がDNAに結合するためには、ATPによるWRNIP1の構造変換が必要であることが示唆された。WRNIP1は酵母の遺伝学的解析から、RAD18が関与する経路と似た経路で機能することが示唆されていたが、両者の結合を調べたところ、両者が結合することが判明した。また、両者の存在下でのDNAの結合を解析した結果、RAD18が結合したDNAにWRNIP1がリクルートされ、WRNIP1はRAD18と置き換わることが明らかになり、両者の機能的関連を示唆する結果を得る仁とができた。
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Research Products
(15 results)