2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルナー症候群原因遺伝子産物WRNとWRNに結合するWRNIP1の機能の解析
Project/Area Number |
20390020
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107383)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 周右 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (00216970)
|
Keywords | ウェルナー症候群 / 早期老化 / WRN / WRNTP1 / RAD18 / DNA損傷回避 / 複製フォーク / ユビキチン化 |
Research Abstract |
本研究はウェルナー症候群の原因遺伝子産物、WRNに結合するタンパク質として我々が発見したWRNIP1の機能を解析することにより、このWRNIP1が関与する新規なDNA損傷回避の分子機構を解明するとともに、この損傷回避経路に対してWRNやRAD18がどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目標にしている。昨年度の解析で、RAD18が結合したDNAにWRNIP1がリクルートされ、WRNIP1はRAD18と置き換わることが明らかになり、両者の機能的関連を示唆する結果を得ることができた。今年度は、細胞レベルで両者の関係を解析する目的で、クーママイシンによりWRNIP1の発現が誘導される細胞株を作製して、我々の以前の遺伝学的解析から、WRNIP1がRAD18の上流で機能することが示唆されているカンプトテシンの傷害に対する感受性を調べたところ、WRNIP1の発現誘導で感受性が抑制されることが判明した。また、RAD18が関与する紫外線の傷害に関しても、WRNIP1の発現誘導により感受性が抑制されることが示唆された。一方、傷害部位でユビキチン化されたタンパク質を認識してWRNIP1が集積することを示唆する結果が得られていたことから、ユビキチン化されてWRNIP1の標的となるタンパク質として、ヒストンH2A、H2Bを想定してその可能性を検討したが、両者がWRNIP1の標的となることを示す結果は得られなかった。 また、WRNとWRNIP1の機能的関係を精製タンパク質を用いて調べた。その結果、template-prime型DNAへのWRNの結合をWRNIP1が促進する一方、WRNのDNAヘリカーゼ活性やエキソヌクレアーゼ活性をWRNIP1が阻害することが示唆された。
|
Research Products
(16 results)