2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルナー症候群原因遺伝子産物WRNとWRNに結合するWRNIP1の機能の解析
Project/Area Number |
20390020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
榎本 武美 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (80107383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 周右 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00216970)
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Keywords | ウェルナー症候群 / 早期老化 / WPN / WRNIP1 / RAK18 / DNA損傷回避 / 複製フォーク / ユビキチン化 |
Research Abstract |
本研究はウェルナー症候群の原因遺伝子産物、WRNに結合するタンパク質として我々が発見したWRNIP1の機能を解析することにより、このWRNIP1が関与する新規なDNA損傷回避の分子機構を餌明するとともに、この損傷回避経路に対してWRNやRAD18がどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目標にしている。これまでの解析で、ユビキチン化されたタンパク質を認識してWRNIP1が傷害部位に集積することを示唆する結果が得られていたことから、今年度は、ユビキチン化されてWRNIP1の標的となるタンパク質を検索した。細胞に紫外線を照射し、クロマチン画分を分画してWRNIP1の抗体で免疫沈降することにより、WRNIP1に結合するタンパク質としてユビキチン化されたH2Aを同定した。また、精製したWRNIP1とWRNを用いてtemplate-primer型のDNAへの結合を調べたところ、WRNIP1が結合したDNAにWRNがリクルートされ、WRNはWRNIP1と置き換わることが明らかになった。したがって、これまでに得られた結果を合わせて考えると、1)DNAに傷害が起きると、傷害のある部位にRAD18が集積し、RAD18によりWRNIP1がリクルートされて、WRNIP1がRAD18と置き換わり、2)置き換わったWRNIP1はDNA polymeraseδをリクルートすることによりDNA合成の開始を促進し、3)さらに、WRNIP1はWRNをリクルートし、WRNIP1と置き換わったWRNがそのDNAヘリカーゼ活性により、DNA合成の伸長過程を促進する可能性が示唆された。
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Research Products
(12 results)