2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390022
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
仁科 博史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60212122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 洋一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (10436644)
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Keywords | ノックアウトマウス / メダカ / 肝形成 / 肝再生 / 脂肪肝 / 肝機能 / シグナル伝達 / モデル生物 |
Research Abstract |
肝臓は、胆汁の分泌,吸収栄養分の濾過と解毒,糖の貯蔵と血糖の調節など多様な働きをする必須の器官である。しかしながら、その形成(発生や再生)の分子機構は未だ不明な点が多い。ストレス応答性のMAPキナーゼの一つであるJNKの初期胚形成期における役割を解明する目的で、上流の活性化因子MKK4とMKK7のノックダウン実験を、ゼブラフィッシュ胚を用いて行った。その結果、MKK4b-JNKシグナル伝達系はWnt11の発現抑制を通じて、ボディープラン形成の重要な過程である収束伸長(convergent extension)を制御していることを見出した。これまではWnt11はJNKの上流に存在すると考えられていたが、JNKによる負のフィードバック制御機構も存在することが初めて明らかになった。また、MKK7-JNKは体節の形成を制御していることも見出し、MKK4aによる背腹の形成制御に加えて、MKK4a,MKK4b,MKK7による複数のJNKシグナルが多様な生命現象制御を担っていることを明らかにした。また、マウスES細胞を用いた細胞分化誘導実験において、もう一つのストレス応答性MAPキナーゼp38が、p38-MEF2C-BMP2シグナルを介して、心筋細胞分化誘導を促進し、神経細胞分化誘導を抑制していることを見出した。心筋細胞分化と神経細胞分化の運命決定機構の一部を解明して研究成果である。さらに、マウスの再生肝に観察される脂肪肝の解析を質量顕微鏡装置で解析し、トリグリセリドやリン脂質のダイナミックな動態を明らかにすることに成功した。
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Research Products
(6 results)