2009 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大形成における電位非依存性のカチオン非選択的なトリップ・チャネルの役割解析
Project/Area Number |
20390025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒瀬 等 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (10183039)
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Keywords | 心肥大 / TRPCチャネル / 圧負荷 / リン酸化 / ホスホジエステラーゼ5阻害剤 / cAMP依存性リン酸化酵素 / cGMP依存性リン酸化酵素 |
Research Abstract |
TRPCチャネルは、電位非依存性のカチオン選択的なイオンチャネルである。これまでにTRPC1~TRPC7までの7種が報告されている。このうち、TRPC3、TRPC6およびTRPC7は、受容体刺激によって生じるジアシルグリセロール(DAG)によって活性化されることが知られている。心臓に持続的な負荷(例えば高血圧)がかかると、心臓は機能を代償しようとして肥大する。我々のグループに、この過程にDAGで活性化されるTRPC3とTRPC6が関与していることを、単離した心室筋細胞で報告した。そこで、本研究ではTRPC3あるいはTRPC6の個体レベルでの関与を検討した。TRPC3およびTRPC6は細胞内ドメインがcAMP依存性あるいはcGMP依存性リン酸化酵素によりリン酸化されると、チャネルとしての機能が阻害されると報告されている。そこで、TRPC3およびTRPC6のリン酸化体を認識する抗リン酸化抗体を試みた。その結果、リン酸化されたTRPC6を選択的に認識する抗体は作製できたものの、TRPC3に対する抗体はリン酸化されていないTRPC3も認識した。そこて、TRPC6に焦点をあてて解析を行った。TRPC6を発現させたHEK293細胞でボスポジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤を作用させると、TRPC6のリン酸化が生じCa^<2+>流入活性も阻害された。さらに、リン酸化されないTRPC6の変異体ではPDE5阻害剤の効果が観察されないことから、リン酸化に依存した効果であることが確認できた。PDE5阻害剤を、圧負荷をかけたマウスに投与すると、TRPC6のリン酸化が生じるとともに、心肥大が抑制された。これらの結果より、in vivoにおいてもTRPC6が心肥大に関与していることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Mechanism and role of high density lipoprotein-induced activation of AMP-activated protein kinase in endothelial cells.2010
Author(s)
Kimura T, Tomura H, Sato K, Ito M, Matsuoka I, Im DS, Kuwabara A, Mogi C, Itoh H, Kurose H, Murakami M, Okajima F.
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Journal Title
J Biol Chem. 285
Pages: 4387-4397
Peer Reviewed
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