2010 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム活性化カリウムチャネルの新たな分子機能と創薬の新展開
Project/Area Number |
20390027
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60117794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 進 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (70275147)
山村 寿男 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (80398362)
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Keywords | Ca^<2+>活性化K^+チャネル / BKチャネル / 電位依存性Kチャネル / カリウムチャネル開口薬 / アノジン受容体 / 男性ホルモン / 創薬研究 / 平滑筋 |
Research Abstract |
多くの非興奮性細胞において、刺激応答の初段階となる細胞内Ca^<2+>濃度上昇([Ca^<2+>]_i)を正帰還的に制御する機構が普遍的に存在する可能性を検証し、Ca^<2+>活性化K^+チャネルがその正帰還Ca^<2+>制御機構の中心的役割を担う分子として機能するというスキームを立証することが本研究の目的である。刺激による細胞分化・増殖の促進などの長期的細胞応答において生じる初期の超持続的[Ca^<2+>]_i上昇には、特にこの正帰還Ca^<2+>制御機構が重要な寄与をすることを証明する。さらに、非興奮性細胞機能異常を伴う各種疾患の新たな治療薬物の開発において、この機構の担い手分子としてのCa^<2+>活性化K^+チャネルが創薬ターゲットとなる可能性を検討することも本研究の目的である。病態時の軟骨細胞において肥満細胞から遊離するヒスタミンによる細胞内Ca^<2+>濃度上昇において、Ca^<2+>活性化K^+(BK)チャネルによる正帰還Ca^<2+>制御機構が重要であることを証明し、軟骨機能の制御に深く関わっていることを明らかにした。ATPによる脳血管内皮細胞への刺激が、内皮細胞の増殖と同時に細胞死を促進し、内皮細胞の更新を早めているが、この機構にCa^<2+>活性化K^+(SK)チャネル及び内向き整流性K^+チャネルKir2.1の活性化による正帰還Ca^<2+>制御機が深く関与していることを明らかにした。またTリンパ球においてCa^<2+>活性化K^+(IK)チャネルの不活性異性体を発見し、その機能と接触性皮膚炎モデルにおける発現変化が病態に関わる可能性を明らかにした。以上より、BK,IK,SKチャネルの(機能)発現は、多くの非興奮性細胞において重要な役割を果たしており、特にCa^<2+>活性化K^+チャネルによる正帰還Ca^<2+>制御機構の寄与が重要であることを証明あるいは、強く示唆することができた。
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