2008 Fiscal Year Annual Research Report
光アフィニティーキャプチャーによるナノモルタンパク質の機能部位解析法開発
Project/Area Number |
20390032
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
畑中 保丸 University of Toyama, 医学薬学研究部(薬学), 教授 (30111181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友廣 岳則 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70357581)
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Keywords | 光アフィニティー / 固相技術 / 膜タンパク質 / 機能部位 / 構造解析 |
Research Abstract |
タンパク質3000プロジェクト推進の結果、多くのタンパク質に発現の目処がついたが、結晶化や安定性の問題で解析に至らなかったタンパク質も数多く、これらは化学修飾法の適用対象となる。この目的に有用な、既存の光アフィニティー法は、光アフィニティーラベル後の処理過程で、多くの解析試料が失われることに原因があり、機能部位ペプチドの配列解析に至るまでには、マイクロモル量のタンパク質量から始める必要がある。本研究では、タンパク質の機能構造解析をさらに前進させるため、操作性に優れる固相法を基盤とする光アフィニティーキャプチャー法を導入することで解析過程を効率化し、ナノモルで可能な光アフィニティー法の開発を検討し、膜タンパク質などの分光学的方法の適用が難しいタンパク質の機能構造解析に応用する。この研究推進により、我が国のプロテオミクスや創薬に資することを目的に、平成20年度は、まずアシルスルホンアミド系による切断法を適用する方針で新しいアシルスルホンアミド型光プローブの合成と検証を行った(論文発表済)。さらに、ポリプロピレン固相のキャプチャー系構築と、タンパク質捕捉の条件検討を検討する過程で、効率化を目的に質量分析用の金膜基盤上で解析する可能性を予備的に検討したところ、質量分析の操作で捕捉試料が金膜基盤から遊離する新知見が得られた。この新たな知見を生かすため、ポリプロピレン固相に加え、金膜基盤を用いたタンパク質キャプチャー系について実験を追加し検討した。この追加実験の結果、金薄膜固相上に捕捉したペプチドがMALDI-TDF質量分析のレーザー光照射により金薄膜から遊離し、そのまま質量分析計で検出可能であることが分かった。この結果は、解析サンプルが特に微量の際に有望であり、本課題の目的実現に新たな選択肢を加える上で重要な新知見を得た。
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Research Products
(8 results)