2011 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティックに遺伝子発現を制御する医薬品候補化合物の創製
Project/Area Number |
20390034
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
宮田 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50114674)
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン脱メチル化酵素阻害剤 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / 創薬分子設計 / 遺伝子発現制御 / 制がん剤 / チューブリン |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子発現の制御に関わる酵素(ヒストン脱メチル化酵素(HDME)、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC))をターゲットとして、分子設計に基づく酵素活性阻害剤の創製を行い、がん治療薬の創出あるいは遺伝子発現制御の分子メカニズムの解明に供する。平成23年度には、HDMEおよびHDACをアイソザイム選択的に阻害するリード化合物の創製を行うとともに、活性化合物の医薬品への応用展開研究を行った。 (1)HDMEをターゲットとする医薬品候補化合物の創製: Jumonji Cドメインを含むHDMEのアイソザイムの一つであるPHF8を高活性で選択的に阻害する化合物を見いだした。この化合物は細胞系でがん細胞に対して細胞増殖抑制効果を示したことからPHF8選択的阻害薬の抗がん剤としての可能性が示された(特願2012-38977)。 (2)HDACをターゲットとする医薬品候補化合物の創製: HDACをアイソザイム選択的に阻害する化合物の創製を目的として、click chemistryを利用してきた。最近、HDACのClass Iに属するHDAC3が、がん、炎症、神経変成疾患などに関与していることが報告された。今回、HDAC3に対して高活性かつ高選択的な阻害剤の探索を試みた。その結果、HDAC3に対して選択的な化合物を見いだすことに成功した。HDAC3選択的阻害化合物は、各種がん細胞に対して細胞増殖抑制効果を示したことから、HDAC3選択的阻害剤の制がん剤としての可能性が示された(特願2012-37082)。
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Research Products
(23 results)