2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規立体的疎水性構造の活用による受容体機能制御とその創薬への応用
Project/Area Number |
20390035
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 泰之 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (80126002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 浩平 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (60221785)
太田 公規 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (90347906)
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Keywords | 医薬分子設計 / 核内受容体 / エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / 疎水性相互作用 / アンタゴニスト / ホウ素クラスター / 分子認識 |
Research Abstract |
新規立体的疎水性構造単位の医薬分子設計への応用は、既存の骨格の修飾では得られない新しい知見を与えている。本研究者は核内受容体制御リガンド、特にエストロゲン及びアンドロゲン受容体の設計により、新規疎水性構造を応用することによる形状認識の差による活性表現の方向性の制御、新しい機構のアンタゴニズム様式等の開拓に成果を挙げている。これら独自の知見に基づき、21年度は上記のコンセプトによる分子設計、合成、活性評価を行い、次の成果を得た。 (1) エストロゲン受容体リガンドのアゴニスト/アンタゴニストバランスの制御を目的として、活性を見出しているシクロペンチルジフェニルメタン骨格化合物に側鎖アミノ基を導入した化合物の疎水性構造の種々の変換と酵素による光学分割を含む合成法の検討を行い、構造最適化を行った。 (2) m-カルボランを骨格としたビスフェノールに側鎖アミノ基を導入した化合物に抗エストロゲン活性を見出し、側鎖のアミド及びチオアミドへの変換と構造活性相関により、アンタゴニスト活性と受容体構造との作用様式を明らかにした。 (3) ビアリール-m-カルボランで得られた知見に基づき、ARアンタゴニスト活性に必要なニトロ基とERアゴニスト活性に必要なヒドロキシ基を有する化合物を設計、合成し、前立腺がん治療に有効な、この両活性を併せもつ化合物を見出した。 これらの結果は、核内受容体制御化合物の設計への球状疎水性構造の適性を実証するとともに、従来の医薬と異なる新規骨格を有し体内動態が異なる新しい医薬候補化合物を創製することに繋がるものである。
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Research Products
(21 results)