2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム化学に基づくインテリジェント亜鉛フィンガーの創製と薬学的展開
Project/Area Number |
20390037
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
杉浦 幸雄 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 薬学部, 特任教授 (40025698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根木 滋 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (50378866)
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Keywords | 亜鉛フィンガー / 転写因子 / DNA結合 / タンパク質デザイン / マルチフィンガー / Zif268 / GAGA因子 / 遺伝子制御 |
Research Abstract |
ゲノム化学に基づいた新しい人工亜鉛フィンガータンパク質の創製と応用を目指すため、本年度は選択された亜鉛フィンガーモチーフを直列に6個、9個、15個を連結させたマルチ亜鉛フィンガータンパク質を設計・創製し、そのマルチ亜鉛フィンガータンパク質の転写活性化能を測定することにより、マルチ亜鉛フィンガータンパク質の機能を評価した。天然転写因子Sp1に含まれる3個の亜鉛フィンガーをよく保存されたリンカーであるTGEKP配列で二つ、三つ、および五つ連結させることによって、各々、6個、9個、15個の亜鉛フィンガーを有するマルチ亜鉛フィンガータンパク質の創製に成功した。特に、9個および15個の亜鉛フィンガーをもつマルチ亜鉛フィンガータンパク質は、現在までに人工的に創製された最も長い亜鉛フィンガータンパク質である。フットプリンティング法により結合するDNA塩基対の長さを測定したところ、6-、9-、15-マルチ亜鉛フィンガータンパク質は、それぞれ18, 27, 45塩基対に結合することがわかった。また、ゲルシフト法によるDNA結合能は、15-、9-、6-マルチ亜鉛フィンガータンパク質の順に減少することが明らかになった。一般に、亜鉛フィンガーの個数が増すほど、DNAへの結合親和性が増加すると考えられた。さらに、マルチ亜鉛フィンガータンパク質の転写活性化能をヒーラー細胞を用いて、ルシフェラーゼ遺伝子を組み込むことによって測定したところ、3-、6-、9-マルチ亜鉛フィンガータンパク質の順に転写活性能は増加した。特に、9-亜鉛フィンガータンパク質の活性は高く、亜鉛フィンガーのマルチ化の意義を機能面から明らかにした点は価値がある。
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